顕微鏡の基本的な取り扱い3          目次に戻る

1998. 1. 11. 柴田達也、大谷啓一

蛍光検鏡

蛍光検鏡の手順1)

  1. 蛍光ランプからの光路のシャッターが閉じていることを確認する。
  2. 水銀ランプの電源スイッチをいれ2)、安定するまで10分程度ウオーミングアップを行う3、4)
  3. アナライザー、ポラライザーがはいっていないことを確認する。
  4. 透過光検鏡で標本にピントをあわせておき、透過光を遮断する。
  5. 目的の蛍光フィルターを選択し、シャッターをあけて観察する。

    1)蛍光顕微鏡にかけてあるカバーは完全に取り去ること。蛍光ランプハウスなどにかかっていると火災や機器を傷める原因となる。

    2)水銀ランプは1度点灯したら20分は消さない! 1度消灯したら20分は再点灯しないこと!ランプ寿命が一気に短縮してしまいます。

    3)明るい蛍光物質は電源オン直後から観察できる。暗い蛍光物質で十分な励起光が必要な場合には待ったほうがよい。写真を撮影する際には必ずウオーミングアップを行う。

    4)通常、切片の準備をしていると10分程度はすぐに経過するので、待っていないでどんどん作業を進める。

 

蛍光検鏡の注意

  1. 暗い環境で作業するので、顕微鏡周囲を整理整頓しておく。
  2. 褪色(フェイディング、fading )

    明光下や顕微鏡観察中に蛍光色素は褪色するものと考えて作業すること。

 

−顕微鏡操作における褪色防止策−

  1. 励起光が強い方が、得られる蛍光像は明るいが、褪色が速くなる。生きた細胞や組織では大きなダメージを与えることにもなる。したがって観察時には励起光の光量をできるだけ減量すること。Atto ArcTM をうまく使用すること。蛍光の視野絞りを絞りこむと、さらに蛍光の照射野を狭められる。
  2. 観察や撮影の合間には、こまめにシャッターを閉じて励起光をあてる時間をできるだけ短くすること。
  3. anti-fading 封入剤を使用すると褪色をある程度防ぐことができる。
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