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血液内科 Department of Hematology

研究Resarch


研究内容


造血器腫瘍・骨髄不全症・出血血栓性疾患・慢性ウイルス感染症や免疫不全症領域の病態生理、診断、治療に関する幅広い臨床研究を行い、並行してこれらの領域の基礎研究を、臨床にフィードバックすることを研究目的の主眼としつつ、分子生物学・分子遺伝学・生化学的手法等を駆使して行っている。
また、その研究成果は論文公表のみでなく、積極的に学会や研究会でも発表している。
主な、研究テーマは以下の通りである。

【1】 三浦グループ

造血器腫瘍において、染色体相互転座によるキメラ融合遺伝子やチロシンキナーゼの変異により細胞内シグナル伝達機構の破綻が生じ造血器腫瘍の発症・進展・治療抵抗性が生じると考えられています。
このことに注目し主に
Jak2Flt3BCR/ABLPECAM-1Chk1に注目し研究を進めています。
1、Jak2 
細胞内チロシンキナーゼ
Jak2は造血細胞におけるサイトカインシグナル伝達に重要な役割を果たしています。活性化Jak2-V617F変異は骨髄増殖性腫瘍(MPNs)において同定され、エリスロポエチンレセプター(EpoR)などサイトカインレセプターからのシグナル伝達分子の恒常的な活性化をもたらし、サイトカイン非依存性の細胞増殖能引きこすと考えられています。Jak2研究担当者は有効な治療法が確立されていないMPNsの発症・進展、新規治療法の可能性を追求するため、研究を行っています.。
2、
Flt3
Flt3は造血細胞の増殖・生存・分化を制御しています。Flt3の過剰発現は急性白血病の症例の多くに認められ、Flt3-ITDAML症例の2530%に見られる頻度の高い変異であり、予後不良因子と考えられています。Flt3の制御は急性白血病の治療につながると考えられ、治験も進められています。Flt3研究担当者は急性白血病の発症・進展、新規治療法の可能性を追求するため、研究を行っています。
3、BCR/ABL
特異的チロシンキナーゼ阻害薬の登場で、BCR/ABLを発現する慢性骨髄性白血病や急性リンパ性白血病の治療は非常に向上しておりますが、BCR/ABLチロシンキナーゼ領域の変異が臨床上の問題にもなっております。BCR/ABLの基礎的研究は継続的に行っていますが、さらにチロシンキナーゼ領域の変異を早期にかつ、高感度に検出する方法を研究しております。チロシンキナーゼ領域の変異に関して、機能検討が可能になっており、治療の選択・新規治療の検討に有用なことを見いだしつつあります。
4、PECAM-1 
PECAM-1は内皮細胞と共に造血幹細胞に広範に発現する接着分子で、造血機能の調節に重要な役割を果たしていると考えられています。PECAM-1研究担当者はPECAM-1Jak2BCR/ABLとの関連を調べ、造血器腫瘍の発症・進展、新規治療法の可能性を研究しています。
5、Chk1

抗癌剤は腫瘍細胞にアポトーシスを誘導することで治療効果をもたらしますが、同時に細胞周期停止のためのチェックポイント機構を活性化することでアポトーシスを回避することにより治療抵抗性を生じることが知られています。Chk1研究担当者は、造血器腫瘍におけるシグナル異常活性化による細胞周期チェックポイント機構をChk1に注目し、抗癌剤耐性機構の解明と分子標的療法の可能性に向けて研究を行っています。

【2】 新井グループ
私たちの仕事
当科は慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)成人例を診療、研究の専門分野に掲げる世界で唯一の施設です。CAEBVとは慢性に持続する炎症症状(発熱、リンパ節腫脹、肝機能障害、血管炎、神経所見など)を特徴とし、末梢血中にEBウイルスに感染し腫瘍性に増殖したT細胞、NK細胞の出現をみるまれな疾患です。症例は本邦を中心とした東アジアに集中しており、西洋での報告はほとんどありません。当初、小児や若年成人の疾患として報告されましたが、近年疾患の周知とともに成人例も多く存在することが明らかになってきています。
当科は厚生労働科学研究 難治性疾政策研究事業 「慢性活動性 EB ウイルス感染症とその類縁疾患の診療ガイドライン作成と患者レジストリの構築(http://www.med.nagoya-u.ac.jp/virus/kimurahantop2015-7-16-2.pdf)に参加し、診断治療法の開発(診断基準および診療ガイドライン作成)を行っています。また、CAEBV患者会SHAKE(http://caebv.com/)を通じ、患者支援活動を行っています。
より良い診療のために
CAEBVの診断にはEBウイルスに感染したT,NK細胞の同定が必要で、一般検査では診断は困難です。また有効な薬物治療も確立されていません。よって、迅速正確な診断法、病態解明、治療法の開発は緊急の課題です。当科は成育医療研究センターと共同で迅速で正確な診断に努めております。また、同センターに加え、学内の複数の部署、細胞治療センター、再生医療センター、包括病理学、小児科、神経内科等のご協力をいただき、共同で診療に当たっています。
病気のメカニズムを明らかにするために
日本医療研究開発機構(AMED)の助成を受けて基礎研究として病態解明と新規治療法の開発を行っています。これまでに疾患モデルマウスの作成、EBウイルスによるTNK細胞不死化、腫瘍化の分子メカニズムを明らかにしてまいりました。また、本邦における成人例の病態の後方視的解析、造血幹細胞移植成績を論文発表しております。以上は当科の研究業績をご覧ください。さらに2016年からはBortezomibを用いた臨床試験も開始しております。
私たちの使命
CAEBVは重篤な疾患です。欧米諸国には患者はいないため、私たち日本の研究者が病態解明を行う義務があります。ご協力をいただく患者様すべての情報を有効な治療法の開発につなげていきたいと考えております。

【3】 福田グループ
当研究グループでは、巧緻に制御された正常免疫反応と、リンパ系腫瘍におけるその破綻を比較検討することで、免疫学的知見に基づいた造血器腫瘍の治療応用を目指し、研究を行っている。
現在、具体的には、
1、リンパ系腫瘍に特異的に発現するチロシンキナーゼROR1の発現、機能解析とROR1を標的とした治療法の確立
2、免疫制御因子のリンパ系腫瘍における発現、機能とその治療応用
 等について、細胞株、臨床検体、モデルマウスを用いた研究を行っている。

大学院

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業績集

これまでの業績はこちらをご覧ください。
2015年
2014年
2013年
2012年
2001-2011年

バナースペース

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