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チタン合金

歯科臨床をガラリと変えた高機能性チタン合金


医療用および歯科医療用デバイスの開発において、優れた力学的特性を持つ金属材料は欠かせない素材である。一般に金属材料は種々の元素を加えて合金化することにより、その特長を最大限に発揮できるようになる。チタン(Ti)系の合金は優れた耐食性や比強度などを有しており、以前から工業的な応用が進んでいた。医療への応用研究も行われていたが、広く臨床に使われるまでには至らなかった。臨床でどのような機能が要求され、その機能を実現するには、どのように合金を設計し、どのようなデバイスにすればよいのかが分からなかったのだ。

本研究所の三浦維四教授らのグループは、歯学部臨床系講座や企業との連携を生かし、この困難を乗り越えた。成果は2 つある。超弾性ニッケル・チタン(Ni-Ti)合金と高強度チタン- 6アルミニウム- 7ニオブ(Ti-6Al-7Nb)合金の開発だ。前者は歯科矯正用ワイヤーや歯内治療用材料として、後者は義歯材料として定着している。それぞれ、歯を動かすのに最適な力を出すために、根管治療に最適な曲げ特性を出すために、そして義歯の機能性を良くするために優れた性質を備えるよう設計された結果である。歯科での成功実績は医科にも波及し、今ではチタン合金は金属系バイオマテリアルの研究の中心的な存在となっている。

開発 高機能性チタン合金が歯科臨床を変革する 日本大学歯学部 米山隆之
臨床 矯正用超弾性ワイヤーについて 本学歯学部 三浦不二夫
臨床 基礎研究と臨床の懸け橋として 本学歯学部 須田英明,八幡祥生
企業 ニッケル・チタン超弾性合金歯列矯正ワイヤー 古河テクノマテリアル 髙岡 慧,垣生哲史
企業 薄く、細くを実現した鋳造用チタン合金の開発 ジーシー 広田一男

高強度Ti-6Al-7Nb合金の開発から義歯材料が生まれた。(写真提供:ジーシー)

超弾性ニッケル・チタン合金の開発によって誕生したのが歯科矯正用ワイヤーと歯内治療用材料(例えばNi-Tiファイルなど)である。トミーが発売した『センタロイ』には、古河テクノマテリアルの素材が採用されている。(写真提供:トミー)