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ハイドロキシアパタイト

骨を再生する日本発の材料


骨を構成する主な成分が、リン酸カルシウムの一種であるハイドロキシアパタイト(HAp)とコラーゲンであることは古くから知られていた。しかし、このHApを生体材料として応用することは困難だった。デバイスとして体内に使うには、一定の形状に加工して製品とする必要があり、それが不可能であったからだ。しかし1972 年にこの課題が解決された。医用器材研究所の青木秀希教授らのグループが、世界で初めてバルクのHApセラミックスを独自の焼結方法を用いて製造することに成功したのだ。

研究所では、このHApを生体に応用するための基礎研究が展開され、その結果、HApが優れた生体適合性を持っているだけでなく、骨を呼び込んで来るような生体活性も有し、歯や骨を対象とするデバイスに幅広く応用できる可能性が確かめられた。またHAp 単体では強度が低いことから、チタン(Ti)など高強度の生体材料にコーティングする技術の開発も進められ、強度と生体活性を兼ね備えた材料が作られた。

さらに臨床と企業の共同による開発研究を経て、今では人工骨、人工歯根、人工関節などHApを利用した多くの製品が生まれている。このようにHApは日本発の材料であり、今日でも日本の技術が世界をリードしている。

開発 骨に接合し骨を伝導する日本発の生体材料 物質・材料研究機構 菊池正紀
臨床 QOL向上に直結するHApの薄膜コーティング 本学歯学部 春日井昇平
企業 アパタイトの企業化に数千本の試験片を費やす オリンパス テルモバイオマテリアル 小川哲朗

旭光学工業(現・HOYA)が発売した生体適合セラミックス『アパセラム』。骨補填材として、適用部位に応じた様々な強度、気孔率の製品がある。(写真提供:HOYA)

1974年から始まったハイドロキシアパタイトの開発を経て生まれた製品は多数ある。患部に合わせて形成するだけでなく、骨性癒着や上皮付着などの特長を使い分けている(写真提供:HOYA)