1.教育:
歯学部,医学部,歯科技工士学校学生ならびに臨床研修医に対して,顎関節疾患に関する講義を実施している.ここでは,診断,治療に関する基礎知識の習得を教育の方針としている.歯学部学生を対象に,顎関節症患者の病因・病態の多元的評価を,多変量解析を用いて検討する方法習得を目的として実習を行っている.臨床研修医を対象に,顎関節疾患のうち,来院患者の大多数を占める顎関節症について,診査,診断,治療,口腔内装置製作方法習得を目的として実習を行っている.
2.研究:
本治療部では以下のテーマについて研究を実施している.
1.顎関節症患者の多元的評価に用いる調査票の開発
顎関節症患者を病態の評価に加えて,寄与因子(病因)としての日常生活障害程度,食品摂取困難度,疼痛持続期間,疼痛の性質,精神心理状態,習慣や習癖,職場環境等から評価するための調査票の信頼性,妥当性の検討を行い,有効な調査表を開発する.
2.顎関節症患者における不安・抑うつとその予測因子について
症状の維持や永続化に関与する不安や抑うつ状態を初診段階で予測するための要因を検討する.
3.夜間ブラキシズムとその他要因との関係
携帯筋電計を用いて睡眠中のブラキシズムに伴う筋活動を計測し,不安状態や習慣・習癖等との関連性を検討する.
4.理学療法の有効性に関する検討
顎関節症治療における理学療法としての運動療法の有効性について,従来の治療との比較検討を行う.
5.咬みあわせ異常感に関与する咬合,心理,社会的因子の検討
咬みあわせ異常感患者が,異常感なし患者と比較して,顎口腔系因子,心理的因子,生活社会因子に有する特性を検討する.
研究業績
1.顎関節症に対する保存治療の変化による症状改善効果.日顎誌2007; 19: 210-17.
2.多元的調査結果にみられる有痛顎関節症患者の年代別寄与因子に関する探索的調査.日顎誌2007;
19: 218-26.
3.有痛性顎関節症患者における起床時症状の保有に影響する因子の検討.日本顎関節学会第21回学術大会抄録集.
4.顎関節症患者における疼痛強度の関連因子の検討.日本顎関節学会第21回学術大会抄録集
5.顎関節症症型間の生活困難度,疼痛,関連症状および寄与因子の比較.日本顎関節学会第21回学術大会抄録集
総説
1.木野孔司.第11回顎関節症来院患者の年代傾向.シリーズ顎関節症を“みる”.日本歯科評論 2007; 67(8): 133-9.
2.木野孔司.顎関節症の増悪因子としての歯列接触癖.日本歯科医師会雑誌,2008;60(11):1112-1119.
著書
1.木野孔司,羽毛田匡.7.2.3顎関節・咀嚼筋の異常.井出吉信編.咀嚼の事典.朝倉書店,東京,2007,125-130.
2.木野孔司.7.2.4口腔心身症.井出吉信編.咀嚼の事典.朝倉書店,東京,2007,130.
3.木野孔司.9.1顎関節の構造.高戸 毅,他編.口と歯の事典.朝倉書店,東京,2008,130-1.
4.木野孔司.9.3顎関節骨折.高戸 毅,他編.口と歯の事典.朝倉書店,東京,2008,138-40.
5.木野孔司.9.4顎関節脱臼.高戸 毅,他編.口と歯の事典.朝倉書店,東京,2008,140-2.
6.木野孔司.9.5顎関節強直症.高戸 毅,他編.口と歯の事典.朝倉書店,東京,2008,143-4.
7.木野孔司.9.6その他の疾患.高戸 毅,他編.口と歯の事典.朝倉書店,東京,2008,144-5.
8.木野孔司.第11回顎関節症来院患者の年代傾向.シリーズ顎関節症を“みる”.日本歯科評論2007;
67(8): 133-9
9.木野孔司,羽毛田匡.7.2.3顎関節・咀嚼筋の異常.井出吉信編.咀嚼の事典.朝倉書店,東京 2007,125-130.
10.馬場一美,木野孔司:10章TMDの診断.矢谷博文,和嶋浩一監訳:TMD第5版,Okeson
JP:Management of Temporomandibular Disorders and Occlusion.医歯薬出版,東京,2006,238-270.