実施中のプログラム

大石由美子

実験中のプログラム

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私は循環器内科医として4年間、病院に勤務していました。
その期間、たくさんの心筋梗塞、狭心症などの患者さん、とりわけ救急車で運ばれてくる重篤な心疾患の患者さんの診察や治療を担当しました。
本当に数多くの方が肥満や糖尿病、高血圧、脂質異常症をきっかけとした動脈硬化症に罹患し、大切な心臓や脳の血管が詰まったり、脆くなって出血するトラブルを抱え、時には大切な命を失うこともあると知りました。
この貴重な経験を生かして、尊い命を救うためにも、動脈硬化の分子メカニズムの研究をしようと考えました。

新薬を生み出すには相当な時間と資金が必要で、かなり壮大な夢になります。
もう少し実現可能性が高い目標として、動脈硬化や生活習慣病の根本的な原因となっている慢性炎症の分子メカニズムを解明し、将来の創薬へと結びつく基盤をつくりたいと考えています。
私は、従来の分子生物学的方法に「バイオインフォマティクス(bioinformatics)」という手法を組み合わせたアプローチを進めたいと思っています。バイオインフォマティクスは「生命情報科学」とも呼ばれ、生物学的なデータを情報科学の手法を用いて解析する技術です。
遺伝子発現などのデータを個別に分析するのではなく、例えば何らかの刺激前後での遺伝子発現変化を全ゲノムスケールで包括的にとらえて、その特性を見つけ出して、病態の解明に結びつけようとするアプローチです。

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医師として、臨床と研究、教育と家事・育児のすべてを両立するのはとても大変です。 そこで、しばらくは臨床から少し離れて、比較的時間的な自由度が高い「研究」に専念してみようと思ったのも、テニュアトラックに応募したきっかけです。
臨床の現場では、医療チームの一員として勤務するため、自分の思うように時間を使うことが難しいですし、勤務時間も長時間となりがちです。
そこで、仕事の時間を比較的自分自身でやりくりでき、最終的には世界中の患者さんのためになる「研究」に打ち込んでみようと思いました。

私も3年7か月ほどアメリカに留学しており、知人の先生から、東京医科歯科大学でテニュアトラック教員の公募があると伺い、締め切り1週間前でしたが、急いで応募しました。

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宝くじに当たったみたいに恵まれています。
資金的なサポートももちろんですが、自由に研究室のセットアップもできますし、私と一緒にチームとして働いてくださる助教の先生を公募できることもとても助かります。
自分が中心になって研究を進めやすい環境が作れますが、その分責任も重大ですね。
責任感と感謝の気持ちを研究への情熱、エネルギーに変えて、一日も早く、皆さんのご期待に添えるような研究成果を発表したいです。

研究者プロフィール

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大石由美子 Yumiko Oishi

難治疾患研究所先端分子医学研究部門/テニュアトラック准教授/博士( 医学)

1998年 群馬大学医学部医学科卒業
2002年 東京大学大学院医学系研究科入学
2006年 東京大学大学院医学系研究科 博士課程修了
2009年 カリフォルニア大学サンディエゴ校(博士研究員)
2013年3月 東京医科歯科大学・難治疾患研究所・テニュアトラック教員(准教授)

テニュアトラック研究室 細胞分子医学ホームページ
http://www.tmd.ac.jp/dcmm/

メンター教員名簿

  職名 氏名
研究領域に最も精通している当該部局の分野等教授 (主メンター) 難治疾患研究所教授 古川 哲史
最先端研究を行っている教員 (副メンター) 難治疾患研究所教授 田賀 哲也
大学院医歯学総合研究科医学系教授 小川 佳宏

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