(12)生体分子認識

Molecular Recognition

 

山 本 恵 子

 

1 科目の概要

細胞内の生物反応や情報伝達系には多くの分子が関与する。分子間相互作用を介してシグナル伝達が起こる。この分子間相互作用には水素結合,疎水性結合等の非共有結合性相互作用が重要な役割を果たしている。シグナル分子が特定のパートナーを認識する仕組み,特に構造的要因に注目し機能発現機構を理解する。

 

2 教育方針・教育目標

本講義では,細胞内で起こる種々の現象をそれらに関わる個々の分子に焦点を当てて考える。分子構造から分子の持つ特徴・性質を読み取り,分子認識における巧みな分子間相互作用を考える力を身に付ける。

 

3 教育内容

核内受容体は核の中に存在し遺伝子転写を直接制御するので,生体内の機能発現に特に重要な分子である。核内受容体の活性化には,ステロイドホルモン・ビタミンA・ビタミンD等の小さな脂溶性分子が関与している。この小分子は高分子受容体に結合し,更に巨大分子DNAを動かすトリガーとなる。本講義では核内受容体とその脂溶性リガンドに焦点を絞り,生物作用発現における分子レベルでのシグナル伝達について概説する。

回数

日 時

項  目

内   容

担当者

1

12/7()

1

遺伝子とタンパク質の基礎

遺伝子およびタンパク質の構成単位と構造

山本恵子

2

12/14()

1

核内受容体

核内受容体の構造,機能,分子認識

3

12/21()

1

ビタミンD

ビタミンDの生合成と化学

4

1/11()

1

ビタミンD受容体

作用発現機構ならびに変異と病態

5

1/18()

1

合成リガンド

受容体構造に基づく創薬

6

1/25()

1

ビタミンD水酸化酵素

3D構造と機能(変異と病態)

7

2/1()

1

核内受容体と疾患

核内受容体の変異と疾患

〔単位〕選択1単位

〔場所〕保健衛生学講義室3(医歯学総合研究棟8階)

 

4 教科書・参考書

参考書:Molecular Biology of the Cell, Fourth Edition . Alberts et al. (), Garland Publishing, Inc.

 細胞膜・核内レセプターと脂溶性シグナル分子(実験医学増刊,2000),加藤茂明,清水孝雄編集,羊土社

 

5 他科目との関連

特になし。

 

6 受講上の注意

講義に出席するだけでなく,講義内容を復習する。

 

7 成績評価方法

レポート提出および出席点で評価する。