老年看護学実習

Practice of Gerontological Nursing

 

 ア 絹 子

 

1 実習の概要・目的

老年期にある人と家族の特徴を理解し,対象の個別性や状況に応じた看護の必要性を十分に考慮した上で,看護実践を展開する。

 

2 教育目標

(1)老年期にある人とその家族(以下,対象者とする)の身体的・心理的・社会的側面を統合し,全体像をとらえ,看護過程を展開する。

1)情報収集

ア)対象者の身体的側面の情報を収集する。

(健康障害の経過,治療,予後など)

イ)対象者の心理的側面の情報を収集する。

(生きがいなど対象者が大切にしていることも含める)

ウ)家族的背景およびソーシャルサポートなどの社会的側面の情報を収集する。

2)アセスメント

ア)対象者の日常生活全般における動作や活動の障害および精神機能のレベルを分析する。

イ)対象者の自立と依存のバランスを考え,自己決定やセルフケア能力のレベルを明らかにする。

ウ)対象者の潜在している能力や機能を的確に判断する。

エ)対象者の特徴を統合し,全体像を図示し,説明する。

オ)看護問題について,個別性を反映した適切な表現で記述する。

3)計画立案

ア)看護問題に対し,長期的・短期的目標を設定する。

イ)状況に合わせて,看護上の問題の優先順位をつける。

ウ)対象者の個別性を考慮し,実施可能な看護援助を記述する。

エ)スタッフとの連携を図るため,計画を説明し共有する。

4)計画の実施

ア)対象者の安全・安楽を考慮し,的確な技術で実施する。

イ)看護援助に対する対象者の反応に応じて,計画を修正する。

ウ)実施した看護援助の状況を,スタッフに説明することができる。

5)評価

ア)目標への達成度の評価を記述する。

イ)評価に基づき,看護計画を修正する。

(2)保健・医療・福祉のスタッフの役割・活動内容を理解し,看護の役割,活動内容について考える。

1)対象者に関わる保健・医療・福祉職の活動内容を把握する。

2)看護と介護を比較し,共通点,相違点を考える。

3)看護の役割・活動の課題と展望を考える。

(3)高齢者の専門医療機関(老人病院)や施設の特徴を理解する。

一般病院と高齢者の専門医療機関や施設について,基本的なシステムの違いを知るとともに,ケアに関連してどのような課題があるのかを整理する。

 

3 実習内容・方法等

〔単位〕必修3単位

 

(詳細については実習要項参照)