看護学原論
Principle of Nursing
増 田 敦 子
1 科目の概要
看護学原論では,看護の基本的概念として「看護とは何か」を踏まえて,看護の対象である人間を全人的存在として捉えるための知識を学習する。さらに,健康の概念を環境,生活,遺伝の側面から理解することによって,看護の目的である人々の健康増進,疾病予防,健康回復,苦痛軽減の意味を考える。また,看護の役割と機能では,多様化する看護の役割を果たす場を明らかにし,保健医療チームの中での看護職の役割を取り上げる。
2 教育方針・教育目標
看護の共通基盤である看護の概念・目的を知り,さらに看護実践能力の基礎となる人間観,生活観,社会観,健康観,自然観とそれらの関連性について総合的に理解できる基盤を形成することを目指す。看護独自の機能について理解すると共に,広く保健医療チームの中での看護の役割と連携について理解する。
3 教育内容
回数 |
日 時 |
項 目 |
内 容 |
担当者 |
1 2 |
4/8(金) 3,4 |
オリエンテーション 看護の本質 |
看護学の専門科目の学習を始めるにあたって,基礎看護学の位置付けと学習内容,看護とは何か:定義,目的,対象,概念 看護援助の本質と看護理論の潮流 |
増田敦子 |
3 4 |
4/15(金) 3,4 |
看護の対象 健康について |
成長・発達する人間と発達課題,身体的・心理的・社会的な統一体としての人間 健康と環境との関連性・相互作用 |
増田敦子 |
5 6 |
4/22(金) 3,4 |
看護の歴史1 看護の歴史2 |
欧米の看護の歴史:ナイチンゲールの業績を中心に 日本の看護の歴史:宗教的看護〜戦後の看護改革 |
山根信子 |
7 8 |
5/6(金) 3,4 |
看護の哲学1 看護の哲学2 |
看護倫理:看護における人間理解 生命倫理:生命の本質と看護との関わり |
田畑邦治 |
9 10 |
5/13(金) 3,4 |
看護理論1 看護理論2 |
「看護の基本となるもの」ヴェージニア・ヘンダーソン 「セルフケアと看護論」ドロセア・オレム |
増田敦子 |
11 12 |
5/20(金) 3,4 |
看護の機能と役割 看護活動と保健医療チーム |
看護過程,看護活動−看護の実践 看護の独自性とチーム間の連携 |
〃 |
13 14 |
5/27(金) 3,4 |
看護の展開 |
看護過程と問題解決方法 看護過程の構成要素とその課題 |
〃 |
15 16 |
6/3(金) 3,4 |
看護の展望 |
専門性の確立,看護研究の特性 |
〃 |
〔単位〕必修2単位
〔場所〕保健衛生学講義室4(医歯学総合研究棟7階)ほか
4 教科書・参考書
波多野梗子:看護学概論,基礎看護学T,系統看護学講座,専門T,医学書院
小玉香津子,高崎絹子:看護学概論,文光堂
V.ヘンダーソン(湯槇ます,他訳):看護の基本となるもの,日本看護協会出版会
F.ナイチンゲール(湯槇ます,他訳):看護覚え書き,現代社
小田正枝他:看護学序説−人間科学としての看護学−,廣川書店
松木光子:看護学概論,廣川書店
5 他科目との関連
専門科目の学習の基礎として,教養の自然科学系,社会学系の科目,特に人間科学,社会学,心理学,哲学など。専門課程で学習する全科目。
6 受講上の注意
看護学原論は看護学全般の基礎であるが,人間として成長過程での学習が非常に大切であり,日頃の生活の中で自らの成長に役立つ多くの経験を持ち,幅広い分野の書物に触れたり,社会情勢にも関心を持つことが望ましい。
7 成績評価方法
講義終了後,筆記試験を行なう。