生理検査学講義(II)

Physiological Laboratory Science,Lecture(II)

 

松 浦 雅 人

 

1 科目の概要

検査用機器を駆使して被験者からいろいろな生理的情報を取得・解析し,そのデータを疾病の診断・治療に役立たせる生理検査学を学ぶ。

 

2 教育方針・教育目標

生理検査技師には,機器の操作,生体現象の記録・データの整理・解析のみならず,疾病に対してある程度の医学的知識が要求される。また,生理検査は直接人体に接する検査法であるので,生理検査技師は医師と同様,倫理性,人間性などが問われる。また,検査時の患者の急変への対応も学ぶ。さらに,生理検査では,電気機器に接することが多いので,機器障害に対する迅速な対応や安全対策も学ぶ。

 

3 教育内容

生理検査学の内容は多岐にわたる。すなわち,循環器系検査(心電図,心音図,脈波など),呼吸器系検査(ガス代謝,血液代謝,酸塩基平衡など),神経・筋機能検査(脳波,筋電図),各臓器の超音波検査や画像解析がある。さらに,MRI,サーモグラフィー,無散瞳眼底検査,毛細血管抵抗試験,経皮的血液ガス分圧測定,平衡機能検査(眼振電図検査,重心動揺検査)についても学ぶ。

回数

項  目

内  容

担当者

1

循環器系の検査学(1)

電気生理学

川良徳弘

比江島一昌

沖重 薫

2

循環器系の検査学(2)

心電図学(心電計の構造と取り扱い)

3

循環器系の検査学(3)

心電図学(正常波形と異常波形)

4

循環器系の検査学(4)

心電図学(循環器疾患の病態と心電図所見)

5

循環器系の検査学(5)

心電図学(不整脈)

6

循環器系の検査学(6)

心音図学

7

循環器系の検査学(7)

脈波学・毛細血管抵抗検査

8

神経・筋系の検査学(1)

脳波学(脳波形の構造と取り扱い)

松浦雅人

大久保善朗

横田隆徳

稲葉 彰

9

神経・筋系の検査学(2)

脳波学(正常波形と異常波形)

10

神経・筋系の検査学(3)

脳波学(神経精神疾患の病態と脳波所見)

11

神経・筋系の検査学(4)

誘発電位・事象関連電位

12

神経・筋系の検査学(5)

筋電図学

13

呼吸器系の検査学(1)

呼吸機能検査学(呼吸生理と呼吸器計)

宮里逸郎

14

呼吸器系の検査学(2)

呼吸機能検査学(ガス代謝I)

宮里逸郎

15

呼吸器系の検査学(3)

呼吸機能検査学(ガス代謝II)

16

呼吸器系の検査学(4)

呼吸機能検査学(血液ガス,酸塩基平衡,経皮的血液ガス分圧測定

17

超音波検査学(1)

超音波検査学(超音波の基礎と超音波計)

佐藤千史

大橋 勇

河合 誠

18

超音波検査学(2)

超音波検査学(臓器別I)

19

超音波検査学(3)

超音波検査学(臓器別II,画像解析)

20

その他の生理検査(1)

平衡機能検査

松浦雅人

大久保善朗

喜多村 健

横関博雄

森 浩士

21

その他の生理検査(2)

MRI

22

その他の生理検査(3)

サーモグラフィー

23

その他の生理検査(4)

無散瞳眼底検査

24

予備日

 

 

〔単位〕必修3単位

〔場所〕講義室A(3号館4階)ほか

 

4 教科書・参考書

教科書として臨床生理学新訂臨床検査学講座17(医歯薬出版)を用いる。

 

5 他科目との関連

解剖学,生理検査学I,医学概論,総合講義,臨床病態学,医用機器・工学と関連。

 

6 受講上の注意

講義では,基礎的な話から始まることが多いので,よく理解できるように,遅れずに出席すること。

 

7 成績評価方法

講義終了時に筆記試験を行い,生理検査学の知識・理解の達成度を評価する。