臨床病態学
Clinical Medicine
宮 里 逸 郎
1 科目の概要
生体における疾患の病因・病態についての臨床的知識を学ぶ学問である。
2 教育方針・教育目標
種々の疾患に対して臨床検査を的確にまた正確に行うためには,ある程度広く基本的に疾患に対する知識を有することが不可欠である。さらに将来において医療科学という広い視野に立って,高度の技術の発達に対処するためにも,疾患に関する知識という臨床的概念に精通しておくことが肝要と考えられ,そのような知識と理解力を教授することを目標とする。
3 教育内容
講義のみで実習は行わない。講義内容は各種疾患の病因・病態と検査法,検査成績の評価法である。具体的には次表のとおりである。
回数 |
項 目 |
内 容 |
担当者 |
1 |
循環器疾患(1) |
心不全,不整脈,先天性心疾患,虚血性心疾患 |
宮里逸郎 |
2 |
循環器疾患(2) |
炎症性心疾患,心筋疾患,高血圧,脈管疾患 |
〃 |
3 |
呼吸器疾患(1) |
感染性肺疾患,慢性閉束性肺疾患 |
〃 |
4 |
呼吸器疾患(2) |
サルコイドーシス,胸膜炎,肺癌 |
〃 |
5 |
消化器疾患(1) |
食道疾患,胃・十二指腸疾患 |
〃 |
6 |
消化器疾患(2) |
腸疾患 |
〃 |
7 |
肝・胆・膵疾患(1) |
肝疾患 |
〃 |
8 |
肝・胆・膵疾患(2) |
胆嚢・胆道系,膵疾患 |
〃 |
9 |
感染症(1) |
細菌感染症,ウイルス感染症,リケッチア感染症 |
〃 |
10 |
感染症(2) |
クラミジア感染症,スピロヘータ感染症,眞菌感染症,原虫感染症,輸入感染症 |
〃 |
11 |
血液疾患(1) |
貧血症,白血病,骨髄疾患,悪性リンパ腫,M蛋白血症 |
〃 |
12 |
血液疾患(2) |
血小板減少症,先天性凝固異常症,後天性凝固異常症 |
〃 |
13 |
内分泌疾患(1) |
下垂体疾患,甲状腺疾患 |
〃 |
14 |
内分泌疾患(2) |
副甲状腺疾患,副腎疾患 |
〃 |
15 |
腎・尿路疾患(1) |
糸球体腎炎,ネフローゼ症候群,腎不全 |
〃 |
16 |
腎・尿路疾患(2) |
腎尿路結石,尿路感染症,腫瘍 |
〃 |
17 |
女性生殖器疾患 |
子宮疾患,卵巣疾患 |
〃 |
18 |
脳・神経疾患(1) |
脳血管障害,感染症,変性疾患 |
〃 |
19 |
脳・神経疾患(2) |
脱髄疾患,脳腫瘍,てんかん |
〃 |
20 |
運動器疾患(1) |
筋疾患,骨疾患 |
〃 |
21 |
アレルギー性疾患,膠原病,免疫不全症 |
アレルギー性疾患,膠原病,免疫不全症 |
〃 |
22 |
代謝・栄養障害(1) |
栄養障害,糖代謝異常,脂質代謝異常,蛋白代謝異常 |
〃 |
23 |
代謝・栄養障害(2) |
尿酸代謝異常,ビタミン欠乏症,ヘモクロマトーシス,ウイルソン病,先天性代謝異常 |
〃 |
24 |
感覚器疾患 |
眼疾患,耳鼻疾患 |
〃 |
25 |
中毒 |
自然毒,人工毒 |
〃 |
26 |
先天性疾患 |
ダウン症候群,ターナー症候群,クラインフェルター症候群 |
〃 |
27 |
皮膚および胸壁の疾患 |
皮膚疾患,乳腺疾患 |
〃 |
28 |
救急時の対応 |
救急患者,救急蘇生の行い方 |
佐藤健次 |
29 |
外科手術と臨床検査 |
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〃 |
30 |
医療過誤 |
|
〃 |
〔単位〕必修4単位
〔場所〕講義室B(3号館4階)ほか
4 教科書・参考書
臨床検査学講座臨床医学総論/臨床検査医学総論(医歯薬出版)
5 他科目との関連
3年生までに学んだすべての基礎科目を修得したものとした上での臨床医学の科目である。
6 受講上の注意
臨床医学に素人の学生が教科書だけから勉強しても理解できるものではないので,必ず授業には出席すること。また,分からないことは些細なことでも積極的に質問すること。
7 成績評価方法
前期・後期の学期末定期試験において講義内容について筆記試験を行う。○×式ではなく,具体的に何々について記せ,など論文形式にする。なお,判定は前期・後期の試験成績の平均点60点以上とする。