精神看護学

Psychiatric Nursing

 

宮 本 真 巳

 

1 科目の概要

精神看護学の前提となる精神医学的な知識を学ぶとともに,その内容を看護学の視点から再構成する。

 

2 教育方針・教育目標

精神的な機能の障害を精神医学的な疾患論,病理学,診断学に基づいて評価する方法や,薬物療法,精神療法,芸術療法などによって回復をもたらす方法について学ぶ。また,精神医療システムの中で看護職が保健医療チームの一員として,それらの知識や方法を看護的援助に生かしながら,どのような役割をとる必要があるかについて考察を深める。

 

3 教育内容

回数

日 時

項  目

内  容

担当者

1

2

10/2(木)

3,4

・精神障害の成因と分類

・器質性精神病の診断と治療

・意識障害と精神症状,精神疾患の成因と分類,創造的行為と精神病理,病跡学,表現病理学

・器質性精神症候群(せん妄,健忘症候群等),脳器質性疾患,症状精神病

小見山 実

車地暁生

3

4

10/9(木)

3,4

・精神分裂病の診断と治療

・気分障害の診断と治療

・精神分裂病の概念,病型(解体型,緊張型,妄想型等),症状,診断,経過,治療

・気分障害の概念,うつ状態と躁状態,気分障害の治療

柏  淳

本橋伸高

5

6

10/23(木)

3,4

・てんかんの診断と治療

・生物学的精神医学の到達点

・てんかんの発作と分類,てんかん性精神障害,脳波検査法

・脳科学,分子生物学の進歩による精神科治療の発展とその可能性

松浦雅人

西川 徹

7

8

10/30(木)

3,4

・精神科の薬物療法

・神経症の診断と治療

・向精神薬の薬理作用と副作用,抗精神病薬,抗うつ薬,抗不安薬

・神経症の概念,不安障害,恐怖性障害,転換性障害,心気症

車地暁生

大島一成

9

10

11/6(木)

3,4

・人格障害の診断と治療

・精神療法と芸術療法

・人格障害の概念,類型,経過,人格障害の患者との治療的接触

・個人精神療法と集団精神療法,絵画療法

竹内 崇

前田健二郎

11

12

11/13(木)

3,4

・絵画療法の実際(1)

・絵画療法の実際(2)

・キミ子方式による絵画療法の理論と実際(1)

・キミ子方式による絵画療法の理論と実際(2)

松本一郎

13

14

11/20(木)

3,4

・アディクションの診断と治療

・精神障害者のリハビリテーション

・アディクションの概念,アルコール依存症とアルコール精神病,その他の依存症

・精神障害からの回復過程,社会療法(環境療法,生活療法),リハビリテーション・システム

榎本 稔

安藤晴延

15

16

11/27(木)

3,4

・リエゾン精神医学

・精神医学と精神看護学

・リエゾン精神医学の歴史と概念,身体疾患患者の持つ精神的な問題,リエゾン精神科医の役割

・精神看護学からみた精神医学的概念,精神科治療の諸局面,精神医療におけるチームワーク

松島英介

宮本真巳

〔単位〕必修2単位

〔場所〕第3講義室(3号館3階)ほか

 

4 教科書・参考書

教科書

日本精神科看護技術協会監修「精神看護学」中央法規出版,2000

参考書

中井久夫・山口直彦著「看護のための精神医学」医学書院,2001

融道男他監訳「ICD−10精神及び行動の障害」医学書院,1993

高橋三郎他訳「DSM−IV精神疾患の分類と診断の手引」医学書院,1995

 

5 他科目との関連

人間科学基礎a,b,c,看護心理学,地域精神看護学,精神看護学演習等の科目と関連する。

 

6 受講上の注意

様々な精神障害の特徴について国際的な分類基準に沿って学ぶとともに,精神医学の見方と精神障害を持つ人の体験や看護の視点との関連についても考えて欲しい。

 

7 成績評価方法

学期末の筆記試験によって行う。