医療情報学
Medical Informatics
田 中 博
1 科目の概要
今日の医療の発展は,高度の情報科学における進歩が寄与したといっても過言ではない。医療人として,情報科学の進歩のもたらす果実を享受し,それを充分に活用できるよう,本学では教養部から一貫したシラバスに基づく情報教育を目指している。
本科目では,看護分野における医療情報を中心に,より基礎的な応用ソフトウェアの実習から最先端の生命情報学までレクチャーする。
2 教育方針・教育目標
日々進歩の激しい情報化社会の中で,看護ニーズとしての医療情報を,早く正確に入手して理解し,活用できる基礎能力を修得させるため,医療情報の現状を教授する。またパソコンの応用ソフトの実習を通して,基本的な情報リテラシーを修得させる。
3 教育内容
回数 |
日 時 |
項 目 |
内 容 |
担当者 |
1 2 |
11/28(金) 3,4 |
医療情報学概論 病院情報システム |
医療情報学の基礎を学ぶ。医療にどのように情報システムが取り入れられていったか,病院情報システムの世代論・構成論を述べる。 |
田中 博 |
情報リテラシー |
プレゼンテーション1:プレゼンテーションソフトの基礎的な操作の実習を行う。 |
酒井 悦子 |
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3 4 |
12/5(金) 3,4 |
看護情報学 |
看護情報システムは独自の情報化の歩みをたどってきた。看護情報の基礎を解説するとともに看護支援システム,看護記録システムについて講義する。 |
田中 博 |
情報リテラシー |
表計算:簡単な統計処理の実習を行う。 |
酒井 悦子 |
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5 6 |
12/12(金) 3,4 |
遠隔医療・バーチャルリアリティ |
遠隔医療の歴史と現状を紹介し,なぜこのような医療が必要なのかを講義する。また,遠隔医療とも関わりのあるバーチャルリアリティについて解説する。 |
田中 博 |
情報化社会の |
インターネットを中心とする現在の計算機環境におけるセキュリティ問題(コンピュータウィルス・盗聴等)について説明し,情報化社会の中での医療における安全性への配慮・データ保護にも触れる。 |
酒井 悦子 |
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7 8 |
12/19(金) 3,4 |
計算医学の先端 |
医学,看護学研究などに用いられる情報科学の先端分野として,生命情報学の現状について触れる。 |
田中 博 |
情報リテラシー |
プレゼンテーション2:プレゼンテーションソフトを使ったグループ発表を行う。 |
酒井 悦子 |
〔単位〕必修1単位
〔場所〕第3講義室(3号館3階)ほか
4 教科書・参考書
教科書 田中 博:電子カルテとIT医療 NMブック新医療叢書シリーズ (エム・イー振興協会)
参考書 キャサリン・J・ハンナ他編集:看護情報学への招待 (中山書店)
5 他科目との関連
情報科学(1年),保健統計学(4年)などと関連が深い。
6 受講上の注意
医療情報システムは最近急速に発展している。新聞・テレビなどマスメディア等で,先端的な事例が報告されることもあるので,日頃からこれらに関心を持つことが望ましい。
7 成績評価方法
出席点・グループ発表の内容・レポートで総合的に評価するが,出席点の比重が大きい。
8 その他
医療情報学の土台である情報科学を理解するためには,コンピュータの基礎的な理解が必要である。そのためには,実際にコンピュータに触ってみることが何よりも重要であろう。
本学では,情報検索機器室,情報教育研修室(1号館4階附属図書館内)や,歯学部視聴覚研修室(歯科校舎棟6階)を,どの学部学生にも開放している。これらに設置されているパソコンを利用するなどして,日頃からスキルアップを図ることが望まれる。