井 上 智 子
1 科目の概要
2年次,3年次に概論・各論・実践論及び臨地実習において成人看護学を学んだ4年次学生が,さらに今後,臨床での看護実践でいままで学んだ内容を発展させるための土台づくりの科目として位置付ける。すなわち,臨床看護の基本的知識及び技術は成人看護学において身につけていることを前提とし,実践者としての生涯学習及び活動の発展のための連携・協働の基本的知識を学ぶものである。
看護学が専門分化し,さらに高度な知識や技術が要求される現代社会に対応すべく,実践看護の場で自らを磨きつづけるための広い視野と発展の方法を,看護基礎教育の最終段階で主体的主導的に学習するものである。
2 教育方針・教育目標
方針:臨床の場における高い専門性をもった看護師の実践を理解し,また,社会でその専門性を発揮し他職種と連携して活動を広げる基本的考え方を身につける。
目標:実践看護師の専門的活動に関して,その実際及び実践能力を理解できる。
看護師の生涯学習に関して,臨床実践の場における教育活動の視点から理解することができる。
実践看護師の活動を他職種との連携協働の視点から専門的に捉え理解することができる。
3 教育内容
5/17,24,31,6/7,14,21,28 金曜日 4時限(14:40〜16:10)
回数 |
項 目 |
講 義 内 容 |
担当者 |
1 |
実践看護師の専門的活動 |
専門性の高い看護実践領域での活動の実際 看護の専門性とは何か,自立した看護師とは何か |
本田彰子 (千葉大学) |
2 |
実践看護師の専門的活動 |
専門的活動に必要とされる臨床実践能力とその発展 実践能力と質の高い看護 看護実践能力の評価 |
〃 |
3 |
実践看護師の専門的教育 |
看護師の生涯学習 基本的考え方と学習方法 成人学習について 実践の場での問題解決方法 |
〃 |
4 |
実践看護師の専門的教育 |
実践看護師に対する現任教育を含む継続教育 現任教育の実際 教育プログラムの検討 |
〃 |
5 |
他職種との連携・協働 |
連携・協働の実際 インタープロフェッショナルワークの考え方 保健医療福祉等他領域の職種の専門性と看護 |
〃 |
6 |
連携協働の実際 |
保健医療におけるマネージメントの実際 医療依存度の高い在宅療養者へのケアの提供と看護 |
〃 |
7 |
連携協働の実際 |
高齢者ケアにおけるマネージメントの実際 介護保険制度でのケアマネージメントの実際と現在の課題 |
〃 |
4 教科書・参考書
随時参考文献を提示する。
5 他科目との関連
本科目は成人看護学の一部として開講するが,看護基礎教育における全学習内容を踏まえ,実践看護を念頭においた現任教育に近い意味合いをもつ。卒後,実践での発展及び生涯学習につながる科目として捉えてほしい。
6 受講上の注意
授業は講義中心であるが,課題に対するいくつかの小レポートを活用し,自己の看護職者としての学習過大及び生涯学習の方向を見出し表現することで,主体的に授業に参加することを期待する。
7 成績評価方法
1)出席 :30
2)レポート :70
8 その他
授業の間に小レポートの課題を提示するが,提出は1週間後とする。内容によっては提出とともに,プレゼンテーションを求める。