島 内 節
1 科目の概要
家族の健康は一人一人の健康と地域全体の人々の健康レベルに深く影響する。また病院等の施設内におけるケアにおいても患者と家族の関係や生活問題は,医療上も重要な意味を持ち,看護にとっても援助領域として重要である。家族ケアのアセスメントと援助方法を中心に学ぶ。
2 教育方針・教育目標
この教科の目的は,家族の健康問題・家族ダイナミクスを生活と関わらせて分析する方法と実践的な援助の方法を技術として用いられるようにすることを目指す。一方,地域のケアシステムの分析も行う。これらを通して,家族のアセスメント,ケア計画,援助,評価の一連の過程を事例などによって深められるようにする。
そのために家族のライフサイクルに応じて発生しやすい健康問題を持つ事例を取り上げて,グループワークによってアセスメントから評価までの一連の過程を体験できるようにする。
教育目標は次に示すとおりである。
1)家族の健康問題と生活状態のアセスメント方法を学ぶ。
2)家族の健康問題について,援助する視点と方法を学ぶ。
3)家族援助の過程を通してアセスメントや援助の評価方法を学ぶ。
3 教育内容
5/17,5/24,5/31,6/7(8コマ 16時間)
日 時 |
講 義 内 容 |
担当者 |
5/17(金)1・2限 |
・家族ケアの目的 ・ライフサイクル別,健康問題別のニーズ ・家族ケア理論に基づくケアの視点 |
島内 節 |
5/24(金)1・2限 |
家族のアセスメント方法 |
森田久美子 |
5/31(金)1・2限 |
事例分析演習 |
森田久美子 |
6/ 7(金)1・2限 |
嗜癖問題を持つ家族へのケア |
遠藤優子 |
4 教科書・参考書
教科書(必携)
1)島内節・野嶋佐由美編著:地域看護学講座A 家族ケア,医学書院
2)島内節・福島道子・高階恵美子編:家族生活力量モデル−アセスメントスケールの活用法−,
医学書院
参考書
1)川野雅資編:JJNスペシャルNo57,こころのケアQ&A,医学書院
5 他科目との関連
既習の地域看護学総論を基盤とする。基礎看護学,臨床看護学が比較的個人へのアプローチが強いのに対して,本科目は家族というグループを単位としたアセスメントと看護の視点からのケア方法を学ぶ。今後に学習する地域看護学科目の基盤となる。
6 受講上の注意
本講義は,事例を分析し,ケア方法を見出すという連続性の強い段階的な積み重ねによる内容と方法を取るので欠席すると理解が困難になる。講義のみでなく,課題について考える討論も重視し,学生の積極的な意見交換を期待する。
7 成績評価方法
定期試験,レポート,出席