高 崎 絹 子
1 科目の概要
リハビリテーションについての概念や理論について学ぶとともに,その基本的な技術や看護について実習を通して修得する。
2 教育方針・教育目標
リハビリテーション看護に関しては,これまで各領域別看護の授業,実習の一部として教育が行われてきたが,本教科目では体系立てられたリハビリテーション看護学として位置づける。リハビリテーションの活動は,医療施設では勿論,保健・福祉施設,在宅など,益々社会的要請が高まっており,看護においても一つの専門領域として確立することが重要な課題である。リハビリテーションの需要は人口の高齢化,疾病構造の変化,医療需要の増大により,年々拡大している中で,リハビリテーション看護の意識も高まっている。
リハビリテーション看護学のねらいは,まず,リハビリテーション看護学の位置づけを明確にするとともに,リハビリテーションの概念を人間の基本的生活を保障するための人権思想や,ノーマライゼーション,QOLの観点から捉える。その上で,リハビリテーション看護の概念,対象,方法を学び,リハビリテーションチームにおける看護,他の専門職種の役割・機能と連携によるチームアプローチを理解する。また,リハビリテーション分野における活動,作業療法,言語療法の基本を理解する。
3 教育内容
3年前期後半(月曜4時限)
回数 |
項 目 |
講 義 内 容 |
担当者 |
1 |
リハビリテーション看護の理論と実際
(1) |
リハビリテーション看護の概念,対象,障害受容のプロセス,リハビリテーション看護の適用理論,施設医療から在宅医療とリハビリテーション看護の役割・機能,基本的専門技術 |
渋谷優子 落合芙美子 (初台リハビリテーション病院) |
2 |
リハビリテーション概論 |
医学的リハビリテーションの定義,リハビリテーションの対象疾患の障害,診断・評価,治療など |
森田定雄 (本学・理学療法部) |
3 |
リハビリテーションの実際
(1) |
1)理学療法:理学療法の役割・機能,機能障害における評価法,機能回復訓練と補助具による支援アプローチの実際 |
野本 彰 他 (本学理学療法部) |
4 |
リハビリテーションの実際
(2) |
2)理学療法の実際(1):看護に適用できるリハビリテーション技術について実際に体験学習する。ベット上の体位交換,起座位,立位,車椅子,杖の使い方に関する技術など |
野本 彰 他 (本学理学療法部) |
5 |
リハビリテーションの実際
(3) |
3)理学療法の実際(2):看護に適用できるリハビリテーション技術について実際に体験学習する。ベット上の体位交換,起座位,立位,車椅子,杖の使い方に関する技術など |
野本 彰 他 (本学理学療法部) |
6 |
リハビリテーションの実際
(4) |
4)言語療法:言語療法士の役割・機能,言語障害の種類とコミュニケーション法,言語障害の評価法,言語訓練の実際(失語症,構語障害) |
相楽多恵子 (広島県立保健福祉大学) |
7 |
リハビリテーション看護の理論と実際
(2) |
地域リハビリテーション看護の社会的要請とその背景,地域リハビリテーション看護の対象と役割,地域リハビリテーション看護活動,在宅療法生活でのリハビリテーション看護の実際(痴呆症老人などの例)と課題 |
高崎絹子 |
8 |
リハビリテーションの動向と課題 |
施設医療から地域医療における継続したリハビリテーションの役割・機能とシステム,そのためのリハビリ専門職者の質的,量的充実の課題 |
竹内孝仁 (日本医科大学) |
4 教科書・参考書
・系統看護学講座 リハビリテーション看護 別巻3
・授業において必要な参考書は提示する
5 他科目との関連
解剖学,生理学,疾病論などの医学知識,基礎看護学,ライフサイクル別看護学,在宅ケア論,地域看護学系の教科目のみならず,社会福祉学,保健医療制度論などの分野と関係づけていくことが必要である。
6 受講上の注意
1)授業中の入退室は認めない。
2)実習の際の服装について,随時指示する。
7 成績評価方法
1)授業,演習に関した課題レポートより評価する。
2)出席日数は認定の基準とする。