横 山 徹 爾
１ 科目の概要
疫学は，人間集団を対象にして，疾病，異常，傷害，さらに，健康の頻度（率）の分布を記述し，これらの状態を規定している因子を研究する学問である。一言でいうと，集団レベルで，原因不明の疾病の原因を追求する学問である。
２ 教育方針・教育目標
疫学の原理と方法を学ぶことによって，疾病の予防，健康増進を目的とした保健活動を科学的に行えるようにする知識，技術を習得する。看護の場では，科学的根拠に基づいて，妥当性の高いケアを実践できるようにする。
３ 教育内容
総論では，疫学の原理と方法に関する基礎的知識を学習する。各論では，歴史的事件等を材料にして，疫学方法論の知識を深める。演習では，具体的な事例を題材にして，健康問題の発見，当該健康問題の原因追及，予防対策の樹立，予防対策の実施，予防対策の評価をシュミレーションし，疫学の応用あるいは公衆衛生活動のあり方を学習する。
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回数 |
項 目 |
講 義 内 容 |
担当者 |
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1 |
総論１ |
疫学の概要，疾病頻度の測定 |
横山徹爾 |
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2 |
総論２ |
記述疫学，疫学的仮説の設定 |
〃 |
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3 |
総論３ |
症例・対照研究とコホート研究，介入研究 |
〃 |
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4 |
総論４ |
因果関係の推理，交絡変数の調整 |
〃 |
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5 |
各論１ |
循環器疾患の疫学 |
〃 |
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6 |
各論２ |
がんの疫学 |
〃 |
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7 |
各論３ |
環境問題と疫学 |
〃 |
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8 |
演習 |
健康問題の解決 |
〃 |
４ 教科書・参考書
「疫学入門演習−原理と方法」第３版（南山堂）を教科書として用いるので必携。
５ 他科目との関連
衛生学・公衆衛生学の基礎的学問である。保健統計学は，疫学的研究の手段として利用される。疫学の考え方，疫学で使われる手法は卒業論文，学位論文などの研究にも密接に結びついている。
６ 受講上の注意
感染症，common diseasesなどの定義，症状，診断手技，治療の概要を知っておくことが大切である。統計学の入門レベル，例えば，平均値，標準偏差，平均値の差の検定，率の差の検定，相関係数の算出とその意義ぐらいを習得しておくことは必須である。
７ 成績評価方法
筆記試験，課題レポートにより評価する予定。