専門教育科目を学ぶにあたって

 

1年間の教養教育における学習をとおして,本学の学生に望まれる基本理念『自ら問題を提起し,それらを自らの工夫によって解決できる』学生としての素地を身につけられた保健衛生学科看護学専攻の諸君は,この要項に記載されている『保健衛生学科の教育カリキュラムの基本理念ならびに看護学専攻の教育目的と教育目標』をまず,十分に理解していただきたい。

その上で,第2学年の前期から新たにスタートする大綱化に伴う,新カリキュラムの専門基礎分野を学ぶこととなる。解剖学,生理学,生化学,病理学,微生物学など人体の正常な構造や機能から,人体の病気にかかわる原因・病態について,医療人としての基礎知識を習得する。これらの科目は,それぞれに独立した科目というのではなく,相互に密接に係わり合っているので,総合して体系的な知識として習得する事が必要とされ,看護学の専門分野を学ぶための礎石となるであろう。

専門基礎分野の次のステップとして専門分野の教育となるが,ここではさらに高度な教育科目を履修するのみならず,将来の看護師,保健師として患者さんと対応できるように,医療職に係わる社会人としての常識,医療人としての倫理観,専門職としての責任感を,講義ならびに臨地実習等をとおして学んでいかなければならない。

専門教育は本教育要項に示すように,各指導教官がシラバスを踏まえて体系立てて教授するのであるから,欠席したり,授業中に集中力を欠如している場合には,3年間で履修することは困難といわざるを得ない。

基礎知識と技能を有し,論理的,科学的に問題を解決できる能力を習得するにとどまらず,患者さんから信頼される看護婦・士,保健婦・士として専門性と倫理観あふれる感性を身につけることを心から望んでいる。

 

 

東京医科歯科大学医学部保健衛生学科

教育委員会委員長 佐 藤 健 次