パフォーマンス論

Performance Theory

 

工 藤 守 利

 

1 科目の概要

パフォーマンスは至る所で繰り広げられております。日常生活,社会生活において,パフォーマンスしているにもかかわらず,それが無意識なパフォーマンスな為に相手(観客や相手役という演技者)に理解して貰いたいことや喜んで欲しいこと,感動してほしいことを上手に表現出来ない(旨く演技できない)ことが多くあります。「パフォーム」という言葉は,「演じる」「演奏する」「見せる」「仕事をする」等の意味がありますが,成功に到達するための道のり,過程がどれだけ十分に行われているかどうかが大切です。素晴らしい,感動的な瞬間をパフォーマンスするためには,リハーサル(前準備,練習,学習,調査等)が十分になされなければなりません。リハーサルの内容,密度の濃さでパフォーマンスの出来不出来が決まってきます。一般社会では人と人のコミュニケーションでなりたっています。机上での優れたプランを人々に理解して貰う為には,言語によるパフォーマンスと非言語によるパフォーマンスを展開しなければなりません。より素晴らしいパフォーマンスを繰り広げるためには,発声,発音,声音の善し悪し,声の強弱,高低,抑揚,間の取り方,そして表情が大切です。身振りや手振り,立ち居振る舞いの仕方で印象も好感度も違います。アイコンタクト,「目」は最も重要なコミュニケーションの手段です。素晴らしい知識と技術,それらを上手に人々に伝える為に,素晴らしい「パフォーマンス」が必要となります。

 

2 教育方針・教育目標

日常生活におけるパフォーマンスと社会生活におけるパフォーマンスを成功させるためにはどのような作業,行動,鍛錬,思考をしなければならないのかを演習を交えた講義をおこなって参ります。言語によるコミュニケーションと非言語によるコミュニケーションを理解し,快適な社会生活を送るために,より高度なパフォーマンスを展開させてゆきます。一人一人が素晴らしいパフォーマンスをパフォーム出来るパフォーマーを指導してゆきます。素敵な「パフォーマンス」を成功に導くための講座です。

 

3 教育内容

素晴らしい「パフォーマンス」を繰り広げる為には,まず「健康な身体」を創り上げます。それにはご自分の身体がどのような状態なのかを知ることから始まります。骨と筋肉,そして関節を理解し,それらをコントロールする術を身につけてゆきます。血の流れを良くすることによって身体全体のリラクゼーションを計り,脳の集中力を高めてゆきます。「健全な精神」は「柔軟な身体」から育まれてきます。そして表情筋を訓練して,様々な表情が操れるようになると,自ずと「心」も解放されてきます。「声」を学びます。発声には,リズム,イントネーション,ハーモニー,ボリューム,強弱,高低,声の質,があります。頭や,口,鼻の形や大小,歯並びや舌の長短,首の長短,太さ,気管支,肺,骨格によって,筋肉,脂肪のつきかたによって様々に変化してゆきます。歩き方,座り方,立ち方,ポーズの決め方を体得します。知識教養を身につけ様々な分野の人々とコミュニケートを計れるようになります。服装のセンスも重要です。ご自分の身体はご自分でしっかり管理コントロールできるようにします。人々に感動と勇気を,そして喜びを与えられるパフォーマーを創り上げてゆきます。

回数

項     目

講   義   内   容

担当者

1

パフォーマンス論

パフォーマンスの基礎を学ぶ

工藤守利

2

パフォーマンス論

バレエ解剖学を理解して身体のコントロール法を学ぶ

3

パフォーマンス論

ストレッチングエクササイズの重要性を理解して柔軟な身体作り法を学ぶ

4

パフォーマンス論

バレエエクササイズを通して強くしなやかで美しい肉体を創造する方法を学ぶ

5

パフォーマンス論

表情の作り方(表情筋を訓練する)

6

パフォーマンス論

発声方法を学ぶ

7

パフォーマンス論

音楽の与える影響を理解する

8

パフォーマンス論

素晴らしいパフォーマーとしての自覚を持つことの必要性を理解する

 

 

4 教科書・参考書

アナトミカル・ドロウイング・オブ・ヴェサリウスやカパンディの関節生理学,バレエ教則本等が参考になりますが,毎回私が用意したプリントを配布致します。

 

5 他科目との関連

解剖学,音楽,発声学,演劇,服飾学とも関連しています。

 

6 受講上の注意

軽く運動が出来る服装を用意してください。覚えたこと学んだことを忘れないように毎日継続して行うことが上達の秘訣です。知識を身体で覚えてゆかれると忘れにくいものです。鏡にご自分の姿を映しだして,毎日チェックしてみてください。

 

7 成績評価方法

講義をしっかりと頭の中に蓄積して,柔軟な肉体を創造して,素晴らしいパフォーマーとしての自覚を持たれた方を評価いたします。それには出席が大切です。出席してくださることによって肉体も精神も行動もチェックできます。日々の鍛錬を怠らないように導いてゆくのが私の役目です。世の中の役に立てる人間に成長しているか,進歩しているかを大切にしております。レポート提出によってどれだけ理解しているかをみます。