国立大学法人東京医科歯科大学の中期目標


(前文)大学の基本的な目標

東京医科歯科大学の基本的目標

1 世界水準の医歯学系総合大学院重点大学として研究機能を一層強化する。
2 四大学連合を活用し、複合領域における研究、教育連携を深める。
3 教養教育の一層の充実を図り、人間性豊かな医療人の育成に努める。
4 自己問題提起・解決型の創造的人間の養成を図る。
5 国際性豊かな医療人・世界的競争に打ち勝つことのできる研究者の養成を図る。
6 高度先進医療と社会貢献の拠点としての病院機能の強化に努める。
7 患者中心の医療を実践する人材を育成するための医学・歯学教育プログラムの研究開発を推進する。
8 国際化に即応した外国語教育や交換留学生制度のための取り組みを推進する。  

T 中期目標の期間及び教育研究上の基本組織

1 中期目標の期間
 平成16年4月1日から平成22年3月31日までとする。

2 教育研究上の基本組織
 この中期目標を達成するため、別表に記載する学部、研究科及び附置研究所を置く。

  

U 大学の教育研究等の質の向上に関する目標

1 教育に関する目標

(1)教育の成果に関する目標

○学士課程
 ・幅広い教養と複合的な視野を育成する。
 ・論理的思考能力と自発的、自立的な課題探求能力を育成する。
 ・国際化・情報化にふさわしい表現技能を育成する。
 ・医療人としての倫理観を育成する。
 ・科学的探求心を持ち、国際的・学際的に活躍できる人材を育成する。
 ・医療専門職に必要な基礎と臨床の総合的能力の向上を図る。

○大学院課程
 ・深い専門性と高度な技術を習得した、国際性、創造性豊かな人材を育成する。
 ・社会に開かれた大学院として生涯教育のための機会を提供する。

【医歯学総合研究科】
 ・医歯学における臨床志向型研究者及び学際型研究者を育成する。

【保健衛生学研究科】
 ・看護学・検査学の分野における研究者、看護実践分野及び行政分野における指導者を育成する。

【生命情報科学教育部】
 ・生命科学・生命情報の分野における研究者及び関連領域の産業人を養成する。 

○教育の成果・効果の検証
 ・多様かつ多段階からなる教育の成果・効果の検証を行う。

  

(2)教育内容等に関する目標

○アドミッションポリシーに関する基本方針
 ・医療人としての使命感を有する、国際的視野に立った教育者、研究者、職業人となる人材を創生する。

○教育課程に関する基本方針
 ・教育理念に基づく優れた人材の育成を図る。

○教育方法に関する基本方針
 ・高度の専門教育を実施できるような効率的な授業形態の構築などを積極的に推進する。

○成績評価に関する基本方針
 ・医療人養成の観点から厳正・適正な評価を行う。

(3)教育の実施体制等に関する目標

○教職員の配置
 ・教育の実施体制の充実を図る。

○教育環境の整備
 ・より充実した教育環境を構築する。

○教育の質の改善のためのシステム
 ・教員の教育能力の向上を図る。

【全国共同利用施設医歯学教育システム研究センター】

 ・全国共同利用施設として、全国標準の医学・歯学教育プログラムの研究開発を推進する。
 ・全国共用の客観的学習評価システムの導入・実施・評価に関する研究開発を行い、全国の医歯学教育の場に提供する。

(4)学生への支援に関する目標

 ・学生が、充実した学生生活を送るための学習支援・生活支援体制等の環境の充実を図る。

   

2 研究に関する目標

(1)研究水準及び研究の成果等に関する目標

○目指すべき研究水準
 ・健康増進、予防医学・医療など罹患そのものを防ぐ21世紀型医学・医療、歯学・歯科医療、生命科学研究を推進するとともに、国際的な研究拠点の形成を図る。

○成果の社会への還元等
 ・臨床応用を目指した研究を推進する。
 ・研究成果を広く社会に発信するとともに、臨床医学や医療産業への応用を推進する。

    

(2)研究実施体制等の整備に関する目標

○研究者の配置
 ・研究を推進するに相応しい研究者を配置する。

○研究環境の整備
 ・多様なニーズに応える学術研究を支える組織と環境を整える。

○知的財産の創出等と社会への還元
 ・研究成果を知的財産として管理・運用して社会に貢献する。

○研究の質の向上システム
 ・高度な研究を推進するため改善・評価システム等を整える。

   

3 その他の目標

(1)社会との連携、国際交流等に関する目標

○社会との連携・協力
 ・社会からの多様なニーズにタイムリーに対応する。
 ・生涯学習を含めた社会の学習ニーズに対応する。

○国際交流・協力
 ・海外からの、研究、教育、診療のニーズに対して、積極的に対応する。
 ・留学生にかかる体制を充実する。

   

(2)附属病院に関する目標

【医学部附属病院】

○管理運営体制の強化等
 ・管理運営体制を強化して、病院運営の効率化と財政基盤の充実を図る。

○安全で良質な医療の提供
 ・患者中心の安全かつ良質な全人的医療を提供する。

○臨床研究の推進と医療の高度化
 ・高度先進医療の開発と実践及び先端医療の導入を推進する。

○良質な医療人の育成
 ・「豊かな人間性と高度な医療技術を兼ね備えた医療人」の育成を図る。

【歯学部附属病院】

○管理運営体制の強化等
 ・管理運営体制を強化して、病院運営の効率化と財政基盤の充実を図る。

○安全で良質な歯科医療の提供
 ・患者中心の安全かつ質の高い歯科医療を提供する。

○臨床研究の推進と歯科医療の高度化
 ・高度先端歯科医療の開発と実践を進める。

○良質な歯科医療人の育成
 ・人間性豊かな歯科医療人の育成を図る。

   

(3)研究所に関する目標

【生体材料工学研究所】

○生体材料並びに生体工学に関する世界的先導研究拠点を目指す。
○生体材料工学に関する知的財産の創出並びに情報発信拠点として機能する。
○研究成果の医歯学への応用を図り、研究者育成を含む社会への還元を推進する。


【難治疾患研究所】

○治療の困難な疾患の病因の基盤となるメカニズムの研究を推進し、診断並びに治療に寄与する知見を社会に提供する。
○我国における難治疾患・遺伝性疾患の研究・診断・治療の中心的な情報基盤を提供する拠点として機能する。
○難治疾患研究を担う次世代の若手研究者を養成する研究の場を確立する。

   

(4)附属学校に関する目標

○教育活動の基本方針
 ・豊かな人間性と専門職としての高い倫理観を有し、口腔保健学の高度な専門的知識と技能を備えた歯科医療従事者の育成を図る。

○学校教育・運営体制
 ・学校の教育理念の実現にふさわしい教育・運営体制を構築する。

   

V 業務運営の改善及び効率化に関する目標

1 運営体制の改善に関する目標

○効率的な組織運営
 ・効率的・機動的な組織運営体制を整備する。

○戦略的な学内資源配分の実現
 ・全学的な経営戦略に立った運営、戦略的な学内資源配分の実現等を目指す。

   

2 教育研究組織の見直しに関する目標

○教育研究組織の編成の見直し
 ・教育研究組織のあり方について社会ニーズ、学術動向を踏まえた体制を構築する。

   

3 人事の適正化に関する目標

○人事の適正化
 ・人事の適正化に努め、効率的な大学運営を行う。

   

4 事務等の効率化・合理化に関する目標

○事務組織の見直し
 ・教育・研究・診療体制への柔軟且つ速やかな対応を目指す。

○事務職員の専門性向上
 ・事務職員の大学運営・企画へ積極的参画を目指す。

○事務処理の合理化・効率化
 ・業務の合理化・効率化のため、経費の節減、効率的な施設・整備の運営を図る。

   

W 財務内容の改善に関する目標

1 外部研究資金その他の自己収入の増加に関する目標

○科学研究費補助金等の確保
 ・外部資金の獲得・増加に努める。

○附属病院収入の確保
 ・附属病院運営の効率化などにより、収入の増加に努める。

○知的財産権の活用
 ・知的財産権の権利化などにより、収入の増加に努める。

   

2 経費の抑制に関する目標

○経費の抑制
 ・事業業務の集約化・合理化、外部委託を促進する。
 ・各種資源の費消に対する個別意識の啓蒙をはかり節減を促進する。

  

3 資産の運用管理の改善に関する目標

○資産の運用管理
 ・全学的且つ経営的視野に立った効率的・効果的な運用を図る。

  

X 自己点検・評価及び当該状況に係る情報の提供に関する目標

1 評価の充実に関する目標

○評価の改善
 ・評価結果を適切に整理・公表する。

○評価結果の活用
 ・評価結果を適切に活用する。

  

2 情報公開等の推進に関する目標

○情報公開の推進
 ・学外への積極的な情報発信を行う。

  

Y その他業務運営に関する重要目標

1 施設設備の整備・活用等に関する目標

○必要な教育研究基盤の確保と施設等の有効活用の推進
 ・点検・評価を踏まえた既存施設の有効活用・活性化を図る。
 ・施設の長期的利用を可能とする維持管理の充実を図る。
 ・教育研究の変化に対応可能な共用スペースを確保する。

  

2 安全管理に関する目標

○安全管理体制
 ・国立大学法人化における安全管理体制の確立並びに安全性・信頼性のある教育研究環境を確保する。




別表(学部、研究科等)

学部 医学部
歯学部
研究科 医歯学総合研究科
保健衛生学研究科
疾患生命科学研究部・生命情報科学教育部
研究所 生体材料工学研究所
難治疾患研究所