水野准教授が戦略スタッフとしてソフトテニス世界選手権優勝に貢献

 本学教養部の保健体育学担当の水野哲也准教授が日本代表チームの戦略スタッフとして参加した第13回ソフトテニス世界選手権(韓国・安城市、2007年9月8日〜13日)において、日本代表チームは男子団体優勝、女子団体準優勝という好成績を挙げました。

 ご存知のように、水野准教授はソフトテニスの元全日本チャンピオンで、ソフトテニスの普及発展に尽力し、現役を退いてからも日本ソフトテニス連盟の依頼で、17年前から強化スタッフ(トレーニングドクター)として、日本代表チームの医科学サポートを行っています。

 サポートを行った当初に選手だった人が監督・コーチになるようになり、本格的に強化内容を一新し、一昨年からは正式にアディショナル・オフィシャル・スタッフ、特に情報・戦略のスタッフとして、日本代表チームの国際試合参加に同行しています。情報・戦略スタッフは、日頃の選手の心身ならびに技術の向上・強化だけでなく、それらをより戦略的に発揮して成果に繋げられるように、相手国や自国のプレー傾向や特性などの情報を記録・分析し、監督やコーチに提言したり、スタッフからの要望に応えて現場で選手の士気を高めるためのビデオの作成などをおこなうことを職務としています。

 こうした指導体制のおかげか、競技成績も急激に上がってきており、この3年間の成績は、以下の通りです(団体の成績のみ)。

 第4回東アジア競技大会(マカオ、2005)
  男子国別対抗戦・・・ 銀メダル
  女子国別対抗戦・・・ 金メダル
 第15回アジア競技大会(ドーハ、2006)
  男子国別対抗戦・・・ 金メダル
  女子国別対抗戦・・・ 銀メダル
 第13回世界ソフトテニス選手権大会(韓国・安城(アンソン)市、2007)
  男子国別対抗戦・・・ 金メダル
  女子国別対抗戦・・・ 銀メダル

 ちなみに男子国別対抗戦の金メダルは、アジア競技大会における過去15回の中で初、世界選手権では12年ぶり(アウェーでは初)の快挙だそうです。

 成績の詳細はこちらの大会記録をごらんください。

 水野准教授は、このような経験から医者ならびに医療従事者にも、トータルなフィットネス管理(医療人としての心技体)が重要であり、その中で心(メンタリティ)の部分に必須なのは「豊かな人間性」だと喝破し、現在「メンタルフィットネス評価尺度」について研究しています。この研究で、心の健康度を測定する評価軸として3つの因子、すなわち「人間性の豊かさ」、「情緒、気分」、「判断力、行動力」を設定できると結論付け、これを評価する手法の確立をめざし日夜研究に励んでいます。現在の研究課題はこうしたメンタルフィットネスと基礎体力との関連性ならびに一般社会人を対象とした医学的検査結果との関連性等の検討です。

 医療従事者に求められる自己の心身の状態を把握し、管理する能力を、学生が十分身につけられるように、得られた成果をさらに教養教育の中に活かしていく努力を続けたいということでした。                        (和田 勝)

写真は第15回アジア競技大会(ドーハ、2006)、後列右から3番目が水野准教授。