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教養部長からのメッセージ

教養部長 清田 正夫

 皆さんは、将来医療人になることを決意して東京医科歯科大学に入学されました。今後の6年間ないしは4年間の学生生活が、目標に向かって充実したものになることを願っています。

 皆さんは、主として最初の1年間に、国府台地区において全学共通科目を学ぶことになります。これらは教養教育とも呼ばれ、深い教養を身につけ、総合的判断力を養い、豊かな人間性を形成することを目指すものです。高度の専門知識を有することは、よき医療人であるための必要条件ですが、十分条件ではありません。幅広い教養に裏打ちされた豊かな人間性こそが、医療人に第一に要求されるものです。「人間性」とは定義しにくい単語ですが、簡単に言えば「他者を理解する」こと、また医療に則して言えば「他人の痛みを理解する」ことではないでしょうか。教養教育を第一歩として、これから一生涯をかけて、皆さんには医療人に要求される「人間性」の何たるかを追求し続けていただきたいと考えます。

 高校までの教育と大学の授業の質の違いについて一言注意します。高校までの授業では、とくに理系科目では、「問題」に対してただ一つの「答え」があったはずです。一方、大学の講義では、理系科目でも、「問題」に対して複数の「答え」があったり、場合によっては「答え」のない「問題」もあったりします。数学の例をあげます。2次方程式の解の公式は有名ですが、3次以上の高次方程式の解はどうすれば求められるのでしょうか。高校では方程式を因数分解して解を求めます。しかし、ほとんどの高次方程式は因数分解できません。ここから「高次方程式の解の公式はあるのか?」「高次方程式の解は存在するか?」「解ける方程式の見分け方は?」等の問題が発生し、ガロア理論にまで発展しました。数学の最先端では未解決「問題」とそれを解こうとする「試み」が集積しています。医学・歯学でも事情は同じはずです。大学の授業に慣れる近道は、「答え」の不明な「問題」に慣れ親しむことです。

(『東京医科歯科大学教養部 履修の手引き』より転載)