後期、月曜2時限
社会心理学は、人間の認知・思考・感情・行動について、他者との相互作用の中で理解することを目指し、科学的に研究する学問である。その手法においては、実験や調査を用いた実証を重んじる。本講義では、社会心理学における主要な知見を解説することを通じて、人々の考え方や行動を、どのように理論として体系化し、それを実証していくのかを理解することを目指す。受講者には、この講義を通じて、様々な社会現象や人間の行動について、「なぜ?」と問い、考える力をつけて欲しい。
主に次のようなトピックについて講義する。また、日常生活から疑問を見つけ、仮説を立て、実証方法を考える練習問題を行う。その他、適宜、授業中に簡単な実験を行い、社会心理学の仮説の実証方法を体験してもらう予定である。
1. イントロダクション:社会心理学とは?
2. 社会心理学の方法
3. 集団過程1:集団と個人
4. 集団過程2:集団間関係
5. 囚人のジレンマ:2者相互依存関係の分析
6. ビデオ上映
7. 社会的ジレンマ:社会の秩序が維持されるのはなぜか
8. 文化差1:人々の考え方や行動がどう異なるのか
9. 文化差2:なぜ異なるのか(文化心理学、比較文化心理学)
10. 文化差3:なぜ異なるのか(ネットワーク、進化ゲーム的アプローチ)
11. 社会的ネットワーク研究
12. マスコミュニケーションと世論
13. 階層帰属意識と公平感
14. 社会心理学の視座:メタ理論
15. まとめ
基本的に学期末のレポートにより評価を行なうが、出席と実験への参加を重視する。
特定のテキストは用いない。参考文献は授業時に適宜紹介する。