フランスの人類学者レヴィ = ストロースの珠玉の小論を原文(仏語)でいくつか読みます。はじめに予定しているのは、下記のとおりです。
授業は、中島がフランス語の読解を指導し、またフランス思想史の観点から解説します。板橋は、文化人類学および民俗学の観点からの解説と注釈をおこないます。
これらは、レヴィ = ストロース晩年(まだ生きていますが)の、とてもしゃれた、エレガントな論考です。彼の「構造主義」を知るうえでもよい例だと思われますし、同時に、これらの論考は、世阿弥に大きな刺激を受けており、二元論的な西欧的思考(構造主義もその一つだとする批判があります)を乗り越える、あるいは止揚しようとする試みでもあるとみることができます。
ある程度まとまった、内容の濃いフランス語の文章を丁寧に読んでいきます。多読ではなく精読を目的とした授業です。思想・文学の古典的作品、あるいは現代思想のテクストを考えていますが、選択者が少人数になることが予想されますので、何を読むかは受講者の希望を最大限考慮します。
一昨年はデカルトの『方法序説』の第四部、昨年はプルーストの『失われた時を求めて』の抜粋、およびサルトルの自伝『言葉』の一部を読みました。難しい言い回し、必要な文法事項は適宜解説しますが、細かな文法事項の復習が目的ではなく、あくまで少し高度なテクストを原語で読み、内容を把握することが目的ですので、少々フランス語の力に自信がなくても、むしろ内容に興味のある人の参加を歓迎します。
講読形式で進めます。あらかじめ担当箇所を決め、予習してきたものを教室で訳読しながら、内容についての理解を深めます。
平常点で評価します。
プリントを配布します。仏和辞書は必ず持ってきてください。