東京藝術大学教養科目講義「生物学」

授業の目的
 ヒトをはじめとする生物(といっても動物だが)の形態や構造とその機能について学び、なぜこのような多様な生物が地球上に存在するのかを理解する。

授業計画および内容
 地球上の生物の多様性から出発して、多様性に戻ってくるという連環方式で、以下のようなトピックを扱う。

1)地球上には多様な生物が存在する
2)多様な生物は神が創造したのか?
3)遺伝するとは?
4)生物は細胞からできている
5)細胞とは
6)細胞の形や機能は遺伝子によって規定される
7)遺伝情報は子に伝えられる
8)生物は繁殖する
9)卵から親に(発生)
10)遺伝情報に誤りが生じる(突然変異)
11)生殖細胞におきた突然変異は子に伝わり集団に広がる
12)生物は進化した
13)環境に適応する
14)ヒトの特徴
15)多様な環境を守る

 一つのトピックをはおよそ2回分の講義でカバーする予定。パワーポイントによる図版をはじめとして、録画したテレビ番組(NHKスペシャルなど)、YouTubeなど、いろいろなメディアを使って授業を進める。

教科書(この本の通りに講義は進行しないが、よりよく理解するためにはあったほうがいい)
 「基礎から学ぶ生物学・細胞生物学」(第二版)和田勝、羊土社(2011) 3150円

授業で使用したDVDの貸し出し
 講義に使ったNHKの番組等を録画したDVDを希望者には貸し出します。美術教育教員控室の石山先生に借りたい旨を申し出て、ノートに必要な事項を記入して借りてください。著作権の問題がありますので、取扱は注意してください。


メールでの問い合わせについて
 芸大からメールアドレスをもらってえいます。質問等があれば下記の宛先に学籍番号と名前を付して送ってください。ただし、間髪をいれずに返事を出すのは難しいかもしれません、そこのところはお許しください。

wada.masaru@fa.geidai.ac.jp


受講に際してのお願い
 30回の講義の流れの中で、上に書いた目的を達成するように講義を組み立てています。したがって1回抜けると、分からなくなってしまいます。履修すると決めたら、制作やレッスンなどで忙しいでしょうが必ず出席するという心構えで臨んでください。1単位というのは、60分の講義時間に加えて、60分の予習、60分の復習を行っていることを前提に与えられます。この科目は前期2単位、後期2単位ですから、1回90分(これを2時間と考えています)に加えて、2時間の予習と2時間の復習を皆さんが行っているという前提に立っています。必ずこのページで講義内容をチェックして復習をしてくださいね。

 特に欠席した場合は、このページから講義内容を必ずチェックしておいてください。

 毎回コメントシートを配布しますから、そこに必ず「今日の講義を受けて感じたこと、なるほどと思ったこと、感想など」、「質問」、「分からない点」などをかいてください。質問にはなるべく答えるようにします。講義の途中でも質問があれば聞いてください。

 なお、出席回数が不足している学生の成績評価は行ないません。 

成績の評価について
 シラバスには「出席、レポート、試験で総合的に評価する。」と書きました。夏休み前の講義の時間に中間試験をやりました。

ウェブ アニメータレポートについて。 「この講義を聴いてinspireされたもの(具体的なイメージあるいは考え、アイデアなど)を、あなたが得意とする表現方法で表現した作品を制作して提出してください。なるべく完成度の高いものを。製作意図、またどのような点にinspireされたのかをA4用紙1枚にまとめたものを添付してください。大きさは三辺の合計が90cmほど。音楽学部の学生さんの場合は、器楽などの演奏(自前あるいは作品)などを焼いたものが考えられるが、工夫をしてみてください。」。締め切りは1月18日です。提出先は美術教育教員控室です。

ウェブ アニメータ1月25日(火)の授業の時間に試験を行ないます。教科書、資料の持込を可とします。試験の範囲は前期から後期まで講義をしたことすべてです。


○4月12日(第1回)
 第1回目の講義では、最初に担当者の自己紹介をした後で、科学とは何かについてお話ししました。科学は信仰ではないこと、科学には科学的な方法論があることを強調しました。その上で似非科学について注意を喚起しました。ネット社会になった現在、十分な注意が必要です。

その後で、NHKスペシャル「プラネット・アース 第1回 生きている地球」を鑑賞しました。地球上には極地から熱帯まで、実に様々な環境があり、そこに様々な形態をした生物が生息していることを映像を通して実感できたと思います。このことをまず頭に入れておいてください。

 この回で使ったパワーポイントのファイルはここにあります。左の「ここ」の部分を右クリックすると、細長いポップアップウィンドウが出ますから、一番上の「開く」を左クリックしてください。別なポップアップウィンドウで「ファイルを開くか、保存しますか」と聞いてきます。「開く」を左クリックすると別ウィンドウにパワーポイントが立ち上がりファイルが表示されます。「保存する」を左クリックすると、ファイルのダウンロード先のフォルダーを聞いてきますので、適当な場所に保存して、あとで自分のパソコンゆっくりとみてください。

○4月19日(第2回)
 第2回目の講義では、田中一村の日本画を導入として、アカショウビンとそのカワセミ科の仲間たちについて、翅の色は違うけれど、行動はよく似ていることを出発点に、生物を分類するということについて学びました。ついで、顕微鏡の発明とその応用、顕微鏡を通してみると、生物は共通の構造である細胞からなっていることを学びました。

 この回で使ったパワーポイントのファイルはここにあります。なお、動画は重たいので、スライドから省き、下の表に鳴き声とともにまとめてあります。こちらをクリックして別ウィンドウで見てください。なお、YouTubeで自分でもいろいろと探してみてください。

和名  動画1   動画2 鳴き声 
 カワセミ  カワセミKingfisher.mpg  カワセミ(Common Kingfiseher).mpg  カワセミ.mp3
 ヤマセミ  秋のヤマセミCrested Kingfisher 1.mpg  ヤマセミのハンティング映像集.mpg  ヤマセミ.wav
 アカショウビン アカショウビンとの初遭遇.mpg  Ruddy kingfisher.mpg  アカショウビン.wav

○4月26日(第3回)
 第3回の講義では、生物の進化の話を始めました。地球上の生物の多様性を理解するためには、「進化」と「遺伝」、それをつないでいる「遺伝子」を理解することが不可欠です。その手始めに進化の話を始めたわけです。進化論と言えばダーウィンですね。パワーポイントを使って導入の話をして、TBSで放映された「ダーウィンの大冒険」という番組を録画したものをみました。時間の関係で終わりまではいきませんでした。

 この回で使ったパワーポイントのファイルはここにあります。

○5月10日(第4回)
 第4回の講義は、第3回で終わらなかったビデオから始めました。ダーウィンの生涯はなかなか感動的でしたね。
 終わったあと、第3回で使ったパワーポイントの残りの部分を終わらせました。生物は進化した、そして進化するとはどういうことかを、ダーウィンフィンチを使ったグラント夫妻のデータを基にして説明しました。くちばしの大きさはある特定のタンパク質の量的な変化によっているらしい、それを制御しているのは遺伝子だということでした。

○5月17日(第5回)
 第5回の講義は、遺伝子について理解するために、まず「遺伝」という現象について、どのような研究がおこなわれてきたかを説明しました。ここでメンデルが登場します。メンデルはダーウィンとほとんど同時代人でしたが、イギリスとヨーロッパ大陸のチェコの片隅ということで二人は会うことはありませんでした。メンデルは修道院の庭でエンドウを使って交配実験を繰り返し、いわゆるメンデルの法則を発見しました。遺伝は粒子状の「要素」というものが形質を支配していると考えると説明がつくことを明らかにしたのです。
 その後、要素は染色体上に存在する遺伝子という実体であることが示されます。

 この回で使ったパワーポイントのファイルはここにあります。

○5月24日(第6回)
 第6回の講義は、細胞についてもう一度、学びました。これは設計図のある核と、タンパク合成が行われるサイトゾールの位置関係を理解してほしいからです。その導入のために電子顕微鏡の像をいくつか、お見せしました。走査型電子顕微鏡の像もお見せしました。我々の体は60兆個の細胞で成り立っていて、そのすべての細胞の核には染色体があって、そこに遺伝子、つまり設計図があります。そのことをまずちゃんと理解しておいてください。Goodsellさんのサイトもぜひ訪ねてみてください。細胞についてのインスピレーションを受けると思います。

 この回で使ったパワーポイントのファイルはここにあります。

○5月31日(第7回)
 第7回の講義はDNAのお話です。遺伝子とこれまで行ってきたものの実体はDNAという分子だったのです。少し難しい話になってきました。基本的な枠組みをまずしっかりと理解し、それから少し細かいところを付け加える、というように順序立てて理解していってください。

 この回で使ったパワーポイントのファイルはここにあります。

○6月7日(第8回)
 TEDのサイトへアクセスしてWatsonの2005年の講演をみました。科学はヒトが行っているということがよくわかる内容でしたね。それから先週の残りのスライドを大急ぎで見て、それから遺伝子DNAがどのようなことをしているかを、NHKの番組を見て確認しました。NHKスペシャルの人体V「遺伝子」のシリーズの第1回目です。一般向けなので生物学的な内容は端折ったところがありますが、分かりやすく、また感動的な話の進め方でしたね。DNAについて身近に感じてもらえたのではないかと思います。大事なことはヒトを構成している60兆個の細胞の核の中にはすべての遺伝子がそろっているということ、それは染色体上にDNAの塩基の並び方として設計図が書かれていて、これを基にタンパク質がつくられているということ、タンパク質の形がはたらきを決めているということです。

○6月14日(第9回)
 番組では端折られた、もう少し生物学的なDNAとそれを基にした、細胞内でのタンパク質の作られ方の話をしました。ただ冒頭に遺伝子音楽の話をして、遺伝情報の構造と音楽との類似性に興味を持って遺伝子の塩基配列を音楽に変換する試みをした大野乾博士を紹介しました。またその考え方でオオサンショウウオとヒトのHox遺伝子のDNA結合部位の一部を音楽にしたものを聞いてもらいました。また、マウスの抗体タンパク質の一部の遺伝子を曲にしたものも聴いてもらいました。Hoxの音楽のほうはパワーポイントファイルに埋め込んでありますので、クリックすると聞くことができます。また抗体遺伝子の曲はここに、比較のために同じ演奏家が演奏したScriabinのエチュードはここにあります。

 この回で使ったパワーポイントのファイルはここにあります。

○6月21日(第9回)
 第9回の講義では、前回の積み残しを終わらせ、次に第8回とタイトルにある「細胞の数を増やす」を使ってお話をしました。細胞という小さな世界で起こっていることなので、なかなか想像しにくいかもしれませんが、皆さんの体の中で日々起こっていることです。まずDNAを複製して準備をし、それから染色体という形にして(絡まないようにするために)、それから染色体を縦に二分して両側に分配し、細胞を二つ作っていることをの概略で今回は終わってしまいました。続きは来週にやります。難しかった人はもう一度下のファイルと動画をみてきてください。体細胞分裂の過程は、細胞が数を増やすための原則ですから。

 この回で使ったパワーポイントのファイルはここにあります。

また顕微鏡を使って細胞分裂を観察した動画はここ(動物)ここ(植物)に、またそれを模式化して描いた動画はここここ(3D)にあります。

○6月28日(第10回)
 前回、終わらなかった第8回の細胞分裂の続き、特にDNAの複製のところをやり、その後で、細胞分裂と深い関係にある、がんの話を扱ったNHK人体V第2回「つきとめよがん発生の謎」を見ました。時間配分が悪く、最後まで見ることができませんでした。次週に最後の部分をみます。この回では様々なタンパク質(ビデオではかなりメカニックな形をしていましたが)が、いろいろな場面でそれぞれ、活躍していることが見て取れましたね。特にp53というタンパク質は、細胞周期の監視役として重要な役割を演じていました。そのはたらきが十分でないために、あのナース修行中の女性は何度もガンが発症したのでした。

○7月5日(第11回)
 最初に、前回終わらせられなかったビデオの最後の部分を見ました。
遺伝子であるDNAが次の代に伝わっていくためには、その個体が繁殖しなければなりません。そのためには生殖細胞である卵と精子をつくる必要があります。今回は、この個体の数を増やす(そしてDNAを次の世代に引き渡す)ためにはどのようなことが起こっているのかについて学びました。

 この回で使ったパワーポイントのファイルはここにあります。

 科学映像館の紹介をしました。ここにある短編記録映画の映像は素晴らしいものがあります。ぜひ見てください。ただしMacでは見られないようです。
http://www.kagakueizo.org/

○7月12日(第12回)
 突然変異のお話を再び取り上げ、少し詳しくお話ししました。多様な生物が地球上に住んでいるということは、DNAの突然変異が深く関係しているからです。DNA→タンパク質という情報の流れで、表現型が決まっていくということをぜひ理解してください、細かいことはともかく。

 この回で使ったパワーポイントのファイルはここにあります。

○7月19日(第13回)
 前回の終わらなかった第10回のパワーポイントファイルの残りをやりました。
その後、NHKスペシャル人体V「遺伝子」野第4回「命を刻む時計の秘密 老化と死の設計図」をみました。初めてすぐに、突然deja vuに襲われ、止めてしまったこと、また時間配分が悪く、大幅に伸びてしま講義の終わりの時刻が伸びてしまったことをお詫びします。

このビデオは、体細胞分裂のDNAの複製についても、減数分裂の過程についても映像で説明していましたよね。第10回と第11回の講義の内容を思い出して、結び付けてください。

○7月26日(第14回)
 小テストとレポート、感想を合わせたような筆記をやりました。さらに発生のお話をしました。その際に、成長ホルモンを例にとり、細胞同士がコミュニケ―ションを取っていることをお話しし、発生の時にも同じように細胞同士が、時系列に従って順番にコミュニケートしながら変わっていくことによって、翼ができたり眼ができたりすることをお話ししました。ちょっと難しかったかもしれませんが、分子と受容体の詳細はさておき、これらの分子を使って分子の言葉で会話をしているということを理解してください。

 この時使ったパワーポイントのファイルはここにあります。

このページの更新が遅れたことをお詫びします。

○10月4日
開学記念日のために休講になるとは知らずに、大学に行ってしまいました。正門に国旗が掲揚されていたので今日はなんの日だろうと考えながら教室のある建物までたどり着くと、暗くてガラスの扉が閉まっていました。誰もいないのです。正門の脇にすべての講義は休講ですという看板があることが分かりました。ショック。
というわけでこの日の分は10月11日に移します。

○10月11日(第15回)
長かった夏休みも終わりました。夏休みはどのように過ごしましたか。
後期はなるべく人を中心としたお話を進めていきたいと思います。まずは発生の続きからです。最初にニワトリの発生から始めて、胚盤の形成を理解し、次に哺乳類の胎盤にも同じような胚盤ができることを説明しました。それから人の発生の場合は、脳の発達が他の霊長類に比べてもとても大きいことを説明しました。なぜそうなったか、一つの仮説として咀嚼筋の発達の度合いがヒトではゴリラと比べて著しく小さいこと、その結果、脳の発達の余地が生まれたことを説明しました。

 この回で使ったパワーポイントのファイルはここにあります。

ウニの発生の動画はここに、カエルの発生の動画はここにあります。またニワトリの発生を示す静止画のページはここにあります。ニワトリの発生の動画は上で紹介した科学映像館にあります。

○10月18日(第16回)
脳内で起こっていることを理解するために、神経系の話、特にニューロンがどのようなやり方で信号を伝えているかについてお話ししました。ニューロンは細胞膜にチャネルタンパク質とポンプタンパク質を備えていること、そのためにニューロンの内側は外に対してマイナスの電位差があることが基本です。ニューロンが信号を軸索に沿って伝えることができるのは、電圧のひずみで開くナトリウムイオンチャネルがあって、このチャネルが開くと、膜の性質ががらりと逆転して、ニューロンの内側がプラスになってしまう性質があります。この局所的な膜の性質の変化が、ドミノ倒しのように軸索末端に向かって進んでいくのが「伝導」です。市区作末端まで伝導の信号が来ると、今度は末端の膜の電圧のひずみを感じるカルシウムイオンチャネルが開き、カルシウムイオンが外から入ることによって、軸索末端にあった神経伝達物質を含む品お薄小胞をシナプス間隙に放出します。その結果、次のニューロン(あるいは筋肉)に信号が伝わります。ちょっと難しいかもしれませんが、次のスライドを見てください。

 この回で使ったパワーポイントのファイルはここにあります。

○10月25日(第17回)
ニューロンの数が増えると、ニューロン間のつなぎ方が飛躍的に増えます。ニューロンのつなぎ方は遺伝子に書かれていません。そのために生まれてからの環境によってニューrンのつなぎ方に差が生まれることがあります。これが今回の「氏か育ちか」と言うことです。
NHKの「人体V 第5回」で双子の比較から育ちがも重要なことを見ました。環境からの刺激がつなぎ方を規定することがあるのです。また脳のニューロンの神経伝達物質の回収をするトランスポーターのほんの少しの違いによって、正確に差が出ることも見ました。

 この回で使ったパワーポイントのファイルはここにあります。

○11月1日(第18回)
「愛とは何か」という大上段のタイトルで、愛の生物学的な考え方いついてのお話でした。オキシトシンと言うホルモンが重要な役割をはたします。オキシトシンはお乳を出すホルモンですが、脳に働いて他個体に対する恐れとか警戒を解く働きがあるホルモンです。その結果、attachmentが生まれます。これが基本にあって、そこにドーパミンによる報酬系が付け加わったものと考えられます。下のスライドを見てください。

 この回で使ったパワーポイントのファイルはここにあります。

○11月8日(第19回)
前回の続きをやり、前回中途半端だったので、NHK「人体U 脳と心」の愛とは何かの回を、改めて見ました。

○11月15日(第20回)
ヒトの視覚の話をするために、以下のスライドを使って感覚の導入の話をして、その後、NHKスペシャル「地球大進化 第5回 哺乳類から霊長類へ」を見ました。

 この回で使ったパワーポイントのファイルはここにあります。

○11月22日(第21回)
この日はスライドを使った講義を行わず、みんなでディスカッションをしました。この講義についてどのように受け取られているかを聞きたかったからです。さまざまな意見がありました。どうもありがとうございました。

○11月29日(第22回)
前回のディスカッションを受けて、気を取り直して、感覚の続きををやりました。主として聴覚と視覚です。でも視覚にずっと時間を割きました。TEDの講演を字幕付で見て、錯視について時間を割きました。「理科ネット」おページも紹介しました。感覚器は外界の情報の入り口にすぎず、それらを解釈しているのは脳であることが錯視と言う現象で分かることを言いました。それにしてもナットの錯視は何回見ても不思議ですね。次回はチェッカーボードイリュージョンのところから再開します。

 この回は11月15日のところにあるファイルを使っています。
 ナットの錯視の動画はここです。

○12月6日(第23回)
チェッカーボードイリュージョンのところから始めて、視覚の情報処理の概略の話をしました。ともかく強調したかったことは、脳で見ているということです。
その後、ヒトの進化の話をしました。最後にTEDの講演の中の「進化から見た美とは」を見ました。

 この回で使ったパワーポイントのファイルはここにあります。

○12月13日(第24回)
最初にヒトの進化についてのNHKスペシャル「地球大進化、第6回:ヒト 果てしなく冒険者」を見ました。ヒトの進化の全体像がとてもよくまとまっていましたね。その後で、ヒトの責任について注意を喚起し、スライドを使って地球上の環境の多様性について話をしました。

 この回で使ったパワーポイントのファイルはここにあります。

○12月20日(第25回)
地球上の生物の繁栄と絶滅というタイトルで、地球上では何回かの大絶滅が起こったこと、特に6500万年前のK-T境界と恐竜の絶滅に関してどのような仮説が立てられ、検証されたかをお話ししました。小惑星の衝突がこの境界線に見られるような地球環境の大激変が起こったことは、ほぼ確実で多くの人が納得しています。こうして恐竜が占めていた大きな環境が空いて、そこに哺乳類が適応放散したのです。

NHKスペシャルで放送されたBBS制作の「オーストラリア 奇跡の動物たち」の第1回を見ました。オーストラリアは適応放散の実験場ですね。

 この回で使ったパワーポイントのファイルはここにあります。

○1月10日(第26回)
あなたはお酒に強いですかということから始めて、体質にかかわる遺伝子の変異のお話をしました。ヒトの個体群には、変異があってそれが維持されていること、このことは集団遺伝学で説明できること、集団遺伝学のおおもとであるハーディー―・ワインベルグの法則から、逆に進化が起こっていることを導きだ得ることをお話ししました。大事なことは、遺伝子の変異がヒトの個体群にはあるということですね。これが個性なのです。

 この回で使ったパワーポイントのファイルはここにあります。

○1月17日(第27回)
多様性を守るというタイトルで、ニュージーランドのキウィとカカポのお話をします。
その後で、NHKで放送された福山雅治が案内役になった「最後の楽園」の3回目のニュージーランドの回を見ます。
 この回で使ったパワーポイントのファイルはここにあります。

○1月25日(第28回)
今回でこの講義も最後です。初めに、これまでのこの講義のまとめのスライドを見て、その後に試験を行います。試験は持ち込みかですので、これまでの会のスライドをざっと見ておいてくださいね。

 この回で使うパワーポイントのファイルはここにあります。


最終更新日:2012年1月16日