時間割番号: 000002 科目番号: 00010002
哲学Ⅱ
PhilosophyⅡ
 
担当教員
田中 智彦[TANAKA TOMOHIKO]
開講時期 後期 対象年次 1 単位数 2
◇ 曜日・時間:月曜1限
◇ 対象学科:全学科
◇ 受入人数:15名程度
◇ 科目を履修して得られる能力(コンピテンシー)
   別表1-3)人間の歴史的営みを理解する
   別表1-5)人間の思考の枠組みを知り、自らの思考を振り返る
   別表1-7)人間の心への理解を深める
試験の受験資格  
◇ 期末考査・再考査・再試験等の受験資格:原則として3分の2以上の出席
授業の目的、概要等  
 「身体」は、西欧の言語では body(英), corpus(仏), Körper(独)のように、物体一般と同じ語で示される。だから特に「人間の身体」を表そうとするなら、living body や human body と記すことになる。他方、「身」という日本語はどうだろうか。「身なり」「身がまえ」「身を立てる」「身のほど知らず」「身につまされる」「身を入れる」のように、時には姿かたちを、時には心のもち方を、あるいは社会的な自己、個としての自己を表し、また心身の区別を越えた広い意味をもつこともある。「身」はただの物質としての「身体」ではない。そこには、現に生きられ、経験されている身体へのまなざしがある。そして現代の西欧哲学・思想は、ある意味、こうした「身」のありようを捉え、表現することを求めて、思索を重ねてきたところがある。
 これはもちろん「日本(語)はすぐれている」などといった話ではない。むしろ日本の場合、その「近代化」「西欧化」の帰結として、「身」という身体へのまなざしは文化からも社会からも、すでに失われつつあるとも見なせるだろう。実際、人びとの「身体」の考え方、あつかい方は、個人においても、また医療においても、living body の見方が当たり前になってはいないだろうか。しかしそうなったのは、日本だけでなく西欧にあっても、近代になってからのことにすぎない。言い換えるなら、個人においても医療においても今「当たり前」となっている身体の考え方・あつかい方は、それがけっして「当たり前」ではないことのいわば無知の上に成り立っているのである。
 こうしたことは身体について、また現代の医療や文化、社会について、何を教えるのだろうか。そこにはどのような問うべきこと、検討するべきことがあるのだろうか。身体をめぐる哲学と思想史の入門書を手がかりに、それを受講者みなでじっくり読み解くことを通じて、「身体」へのまなざしから「人間とはどのような存在なのか」をあらためて問い、考えてゆくことにしたい。
 
授業の到達目標  
(1)哲学・思想(史)の入門書を「読める」ようになること。
(2)現代哲学・思想の「問いの立て方」と「論点」について基本的な理解を得ること。
(3)批判的に問いを立て、考えるための基本的な構えを身につけること。
授業方法  
 授業はセミナー形式で進める。テキスト(入門書)は一章ずつ、みなで読み進めてゆく。受講者には授業の前に、テキストの該当箇所をあらかじめ読み、疑問点やコメントを書いて提出することが求められる。授業ではそれらをもとにして解説や議論を行い、内容について理解を深めてゆく。
授業内容  
(1)近代化の過程で「身体」はどのように変容してきた(させられてきた)か。
(2)そのような「身体」の変容をもたらした思想的・歴史的・文明的な要因は何か。
(3)その帰結として今日、「身体」はどのような問題をかかえているか。
(4)そうした問題を解きほぐしてゆくとき、「身体」の理解はどのように変わってゆくか。
成績評価の方法  
◇評価:期末レポート 60%
    授業への参加度 40%(事前課題への取り組み、議論への参加度など)
◇再評価:有(レポート)
成績評価の基準  
「東京医科歯科大学全学共通科目履修規則 別表2」による
準備学習等についての具体的な指示  
 受講者には授業の前に、テキストの該当箇所をあらかじめ読み、疑問点やコメントを書いて提出することが求められる。それはまず自分なりにテキストを理解し、その時点での到達点を言葉にした上で授業に臨むということである。授業ではそれらをもとにして解説や議論を行い、内容について理解を深めてゆく。こうしたプロセスを経ることで、自分の「読み」の深さを省みるとともに、他の「読み」の可能性にも自分を開いていけるようになる。そのためにも、準備段階から授業における解説・議論までの能動的な関与と、そこで学んだことの積極的な吸収・応用に努めてもらいたい。
教科書  
教科書1 ISBN 978-4062580311
書名 身体の零度――何が近代を成立させたか
著者名 三浦雅士 出版社 講談社 出版年 1994
教科書2 ISBN 978-4569603094
書名 悲鳴をあげる身体
著者名 鷲田清一 出版社 PHP研究所 出版年 1998
教科書  
テキストの他にも文献等を用いる。その場合は随時コピーを配布する。
参考書  
参考書等は授業の中で随時紹介する。
履修上の注意事項  
出欠については、出欠管理システムの記録と、教員が毎授業時にとる出欠とを併用する。
オフィスアワー  
田中 智彦:
前期:毎週月曜日 12:30〜13:30 管理研究棟2階 哲学研究室
後期:第1・第3水曜日 12:30〜15:00 管理研究棟2階 哲学研究室
連絡先(メールアドレス)  
田中 智彦:tanaka.las@tmd.ac.jp