「第7回ママ・パパ交流会&女性活躍推進のための事例検討会」を開催しました

矢野貴子さん

② 東京医科歯科大学 医学部附属病院 看護部キャリア支援室 看護師 矢野貴子さん

<家族構成>
夫、長女(7歳)、次女(1歳)

<状況>

  • 東京医科歯科大学医学部附属病院に就職してから病棟に10年近く勤務後、第1子出産。
  • 1年育児休暇を取得し、外来勤務で復帰(1時間時短勤務)。
  • 第2子出産後、育児休暇を1年取得後復帰。
  • 現在、看護部キャリア支援室に勤務。1時間の時短勤務で15時45分に退勤。

<1日のタイムスケジュール>

5:00 起床 洗濯、朝食準備
6:30 子どもたち起床
7:15 次女登園(夫が保育園に送り、そのまま出勤)
7:40 長女と一緒に自宅を出る
9:00 出勤
15:45 退勤、学童と保育園にお迎え
18:00 帰宅 洗濯、夕食の準備
19:30 夕食、お風呂
20:30 長女のピアノ練習に付き添う、翌日の準備
21:00 子どもたちを寝かしつけ、夕食の後片付けなどの家事
22:30 就寝

タイムスケジュールの現実

朝と帰宅後は毎日バタバタで、特に夜は1分1秒でも早く子どもたちを寝かしつけたくてタイムスケジュールをこなすのに必死。息をつく暇もない状況です。
今回タイムスケジュールを整理してみましたが、こんなにうまくいく日はありません。現実は、上の子は帰宅後にテレビをつけてダラダラ。宿題をやって明日の準備をして欲しいと思いつつ、私も家事をこなすのに精一杯で、口で注意する毎日です。
もうすぐ2歳になる次女はお腹がすいてしまい、お菓子を食べようとしたり、眠くなってしまったり……。なんとか21時30分頃ベッドに入り、寝るのが22時頃です。私も布団に入ってしまうと、そのまま子どもたちと一緒に寝落ちしてしまい、次の日の朝にぐちゃぐちゃな台所やたまった洗濯物を片づけることから1日が始まるような状態です。

矢野貴子さん

小学校1年生の壁

上の子が昨年4月に小学校に入学。子どもにとってもお友達や先生、全てが新しい環境になりますし、保育園との違いもたくさんあって、この1年で生活はガラリと変わりました。
特に夏休みや長期休暇のお弁当作りが地獄で、だいたい3パターンくらいで回していて、あとは冷凍食品を使ってなんとか凌いでいる状況です。

病気になった時の対応にはさらに頭を悩ませるようになりました。私の地域は小学生だと病後児保育に登録ができないので、私か主人が休むか、ベビーシッターやファミサポにお願いするしかありません。広島に住む実家の母にお願いして「明日来てもらえないか」と頼んだこともあります。

復帰して感じたこと

体力の低下と、時間がないことを痛感しています。子ども優先の毎日で、自分の時間が本当にありません。仕事を家に持ち帰ってやろうと思っても、できないことがしばしばです。
1人目の復帰の時は責任のある役割もいただきましたが、2人目の復帰後は家に帰ると上の子のイヤイヤ期も重なって、持ち帰った仕事もはかどらず、辛い時期もありました。
ただ、今振り返ると、子どもがいない時と同じ感覚で仕事をしようとしていたのかなと思います。仕事ができなくて中途半端になってしまったり、一方で仕事を頑張ると家のことが回らなくなって家族に負担がかかるのではとストレスに感じたり。ものすごく悶々とした気分を家に持ち帰り、イライラして夫や子どもに当たってしまうこともありました。
帰宅が遅くなって玄関をあけると、リビングや台所がぐちゃぐちゃになっている状況で、子どもたちと夫が床に寝ているのを見たときに、ふつふつと怒りが湧いてくる……、なんてこともありました。

そんな悪循環もありましたが、頑張っているうちに仕事の成果が出てきて、周りにも認めてもらえるようになったのです。仕事がうまくいくようになると、育児も楽しくなってきて、徐々に好循環になりました。
辛い時期はありましたが、頑張って良かったなと今改めて思います。仕事はやっぱり楽しいし、これからも続けていきたいですね。

協力体制

できないことは人に頼む、協力を依頼するのが大事で、私の場合、協力者一番手は夫です。わが家でもお風呂と保育園の送りは夫がやってくれています。
また夫に手伝ってほしいことを伝える時に注意しているのは、感情を込めないように淡々と伝えること。わかりやすいように紙に書いたり文字に起こしたりすることもあります。
協力者の2番手は小学1年生の長女です。最近は下の子の絵本を読んでくれたり、食器を洗ってくれたりして、とても頼りになっています。 あとは、近所のママ友です。昨年台風がひどかった時に、小学校が2時間遅れで登校になったのですが、その時はお休みを取っていたママ友が娘を朝預かってくれて、一緒に登校してもらったということもありました。

働き続けるために

前と同じような働き方では私が疲労困憊してダメになってしまうから、折り合いをつけてうまく働くことが必要だと気がつきました。
辛い思いを経験したことで、自分の性格や傾向を改めて見つめることができたし、これからの働き方について考えるいい機会になったと思っています。
仕事を続けるためにも無理をしないこと、できないことは割り切ることが大事だなと思いました。

そして一番大切なのは、自分自身が健康でいること。健康じゃないと仕事もできないし、育児もできません。体の健康はもちろん、心の健康もとても大切。私が笑っていないと、家族も笑ってくれないことを実感しています。
なので、ご飯をしっかり食べて、よく寝ること。また心の健康のために、自分の時間もしっかりとることも今は心がけています。時間がない中でも、時間を決めてゆっくりコーヒーを飲むとかそういう時間が大事ですね。最近のマイブームは家族が寝た後のストレッチです。とても心が落ち着きます。

心と体の健康に配慮しながら、あまり気を張らないようにこれからも頑張っていきたいです。